「乾漆合子〈遥かなる旅〉」
織田 峻太郎(美術・工芸コース)
工芸/漆、麻布
第1会場:高岡市美術館
産卵の時期を迎えた川魚は産卵場所を目指し、大移動を行う。
長い旅の末誕生した命は、再び長い旅路に出る。
この雄大な自然の営みに感銘を受けた。
私は川魚の生命力を乾漆箱で表現した。卵を宿した川魚をイメージし、張りのある形を制作した。これを生かすために呂色磨きで仕上げた。加飾にはぼかし塗と朱溜塗の技法を用いている。
「お蚕さま」
城 ゆい(美術・工芸コース)
金属工芸/鍛金、銅、羊毛フェルト、蚕の糸、テグス、ホワイトウッド
第1会場:高岡市美術館
自然界では生きていけず人の手がないと育たない柔らかい存在の蚕を硬い金属で表現しました。
自分の手で育てた蚕をもとに、繭になる前の蚕と繭を作り終える寸前の状態の蚕を制作しました。
繭からうっすらと蚕が見えるように制作しました。
「乾漆花器 石に花」
高野 美咲(デザインコース)
工芸/乾漆技法、漆、麻布、炭粉
第1会場:高岡市美術館
乾漆技法を用いた花器です。植物は想像以上の力強い生命力を持っています。何度刈られてもすぐに生えてきたり、コンクリートに根を張ったり、石を割って成長することもあります。しかし石から直接花が咲くことは現実にはありえません。「石に花咲く」ということわざを、漆の表現力を使い叶えたいという思いから制作しました。
「化粧箱―漲(みなぎる)―」
西澤 かれん(建築デザインコース)
工芸/漆、梻、桐
第1会場:高岡市美術館
「今日1日を頑張れる箱」をテーマに、ジュエリーボックスを制作した。
自分に自信を持ちたいとき、モチベーションを上げたいとき、私はめいっぱいお洒落をする。ストレスの多い現代社会で、毎朝ワクワクできて気分が上がり、一歩踏み出す勇気をくれる、そんな世界観をもった箱を目指した。
「建築儀礼における金物道具の制作研究」
橋場 渚(デザインコース)
立体造形(金属)/真鍮、鉄
第2会場:富山大学 高岡キャンパス
金属を用いた道具制作の基礎的技術習得を研究テーマとし、建築儀式の一つ、釿始祭にて使用される曲尺と清鉋を模造した。
再現元は社寺建築業務を中心に手掛けている森田建設株式会社が実際に使用している祭事道具である。本研究では本来あったであろう姿を想像で補っていく制作と、経年劣化の過程を考えながらの制作を行った。
「螺鈿玉手箱」
古澤 美奈(デザインコース)
工芸/漆、ヒノキ、白蝶貝、鮑貝、金粉
第1会場:高岡市美術館
見えないけれど存在する幽玄の世界をコンセプトに、手箱を制作した。指物の技法を用いてより精度の高い世界観に合ったかたちづくりと、蒔絵・螺鈿による加飾で現代の玉手箱を感じて欲しい。
「わたしがわたしであるために」
村松 耶々子(美術・工芸コース)
工芸/蒔絵、乾漆粉、銀粉
第1会場:高岡市美術館
彼岸花の絵です。高岡に咲いている彼岸花を実際にスケッチして、今回は銀と乾漆粉の組み合わせに挑戦しました。今回のコンセプトは彼岸花の彼岸花の花言葉には情熱・独立という意味がある。死人花や地獄花など不吉な花として気味悪くいわれているが、実際は燃えるように堂々と真っすぐ凛と咲いていると私は感じ、気味悪く妖艶な彼岸花をあえて爽やかに描きました。どうか自分を信じて、周囲から見て一見無様であっても、心の中に秘めている燃える思いを堂々と出していこうというメッセージを彼岸花の絵に込めました。
「鋳造技法を知ろう!」
横山 ななみ(地域キュレーションコース)
工芸(金属)/鋳造、真鍮、青銅
第1会場:高岡市美術館
金属で作られた作品を見てどのように作られたのか疑問に思ったことはありますか?
この作品では、『鋳造』で作られた作品を、鑑賞するだけでは知ることが出来ない、制作方法と共に見ることができます。