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2017.03.16

【公開講座】「青銅器に書きのこした漢字」―中国3千年前の鋳造のスゴワザ―(平成29年度「富山大学サテライト講座」第2回)

富山大学サテライト講座(第2回)
青銅器に書きのこした漢字
―中国3千年前の鋳造のスゴワザ―

多彩な専門分野を有する富山大学の教員陣が、日ごろの研究成果を皆様に向けてわかりやすくお話しします。各講座とも申し込み・受講料は不要ですので、お気軽にご来場ください

[講師]
三船 温尚(芸術文化学部 教授)

[日時]
2017年6月10日(土)14:00~15:30

[場所]
富山駅前 CICビル3階 学習室 
〒930-0002 富山県富山市新富町1-2-3

[講座内容]
古代中国の青銅器文化は、殷周時代に登りつめた鋳造技術 によって華開きました。その後、技術は朝鮮半島から日本列島へ伝播し、千数百年後の高岡銅器へつながり、さらに自動車エンジンなどの工業鋳物へと展開しま した。古代の手工芸技術が、巨大な産業技術にまで発展した例は、鋳物のほかはあまりありません。
古代の鋳造技術がどのように現代の工業技術にまで変遷したのかという鋳造技術通史は、特に古代の技術部分が未解明で、これらを解明するために新規的研究手法を取り入れ、海外と協力して研究を進めています。

古代の拙い技術が何故解明できないのかと考える人は多いはずですが、3千年前の鋳造技術のほうが、現代の伝統的な手工芸鋳造技術よりも高度で幅広かったから 解明できないのです。長年、古代技術の研究を続けてきて、古代鋳造技術はバスケットボール、現代の伝統的鋳造技術はソフトボールくらいの大きさの差ではな いかと、現在は感じています。古代から現代まで3千年かけて、大きなボールはだんだんと小さくなっていったのでしょう。
この差は、青銅器の社会需 要の差によるもので、古代工人たちは地道な実験と革新的な発想を重ねて高い要求に応え、短期間でボールを大きくしていったのです。その後、社会構造の変化 と鉄器の登場などによって、社会で不要になった青銅器とともにそれを鋳造する技術も消えていき、ボールはだんだんと小さくなっていったと考えています。今 に残った技術は、今が必要とする製品、たとえば梵鐘や茶の湯釜などを作る伝統的技術だけになったのです。

わたしたちが毎日使う漢字の祖先 ともいえる文字が、3千年前の青銅器の表面や器の奥の内面に鋳造されました。これらの文字の多くは砥石で削って簡単に消せないよう、深い凹の線になってい ます。これを鋳造せよと王から命じられたとき、古代工人たちはどのようにしてこの難問をのりこえたのでしょう。自分自身を古代の工人におき代えて古代人に 挑戦する、そんな講座内容です。
三船 温尚(芸術文化学部 教授)

[お問い合せ先]
富山大学地域連携推進機構 生涯学習部門
TEL:076-445-6956
FAX:076-445-6033
URL:http://www.life.u-toyama.ac.jp/
E-mail:Lifelong(a)ctg.u-toyama.ac.jp
※(a)は@に置き換えてください。

[関連リンク]
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