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2017.02.24

【名物授業】鋳造工芸品を制作して販売する授業/「多品種一品生産の生型鋳造の可能性を研究する」(平成28年度後期授業)

授業科目名「生型鋳造」「鋳金A(生型鋳造

[作品販売について]
昨年に続き、学生が考えた多品種一品生産の生型鋳造作品42点を販売いたします。
展示販売は5月14日~19日(富山大学高岡キャンパス内で販売)を予定しています。
詳細は、4月に改めて学部のSNSでお知らせいたします。

錫16%、銅84%の青銅を約1,000℃で熔かして、学生が鋳型に流し込んでいます。世界でも他に類のない規模の鋳造の街 高岡でもこの特殊な配合の青銅は使っていません。古代青銅鏡の鋳造技法研究をきっかけに大学で使い始めました。 
業界ではほとんど使わなくなったコークス熔解炉で、学生3人1組交代で熔解を担当し、熔解の基本を習得します。将来の応用展開ために基本は大切です。この授業では7回熔解・鋳造をしました。

[授業の内容]
1.多品種一品生産型の生型鋳造法で、現代の社会需要に応じた鋳造品を作り、販売を通して研究します。
2.高錫青銅を用いた「多品種一品生産型」の生型鋳造は、地元の高岡銅器の現場でも行わない方法なので、新規的なアイデアをドンドン試みて、これまでにない生型の製品を生み出します。これまでの生型鋳造は「一品種大量生産」が一般的な考え方です。 

鋳型を焼成しないため生型という技法名です。この技法は砂の水分量が成功のカギを握ります。学生が手で触って水分量を調整しています。
鋳型に直接文様を描くなどして2つとない製品を鋳造します。
スタンプで突いて生型砂を枠の中に固めて鋳型を作ります。
2つの鋳型を合せてできる隙間に熔けた青銅を流し込みます。 
学生が工夫してつくった原型を用いる、あるいは原型を用いないで隙間を作ります。学生のアイデアによってこれまでにない多品種で一品しかできない鋳造品ができます。 
原型を用いないで砂を彫って隙間を作っています。 
韓国の鍮器調査の時にみた、鋳型面を炎であぶって水分を減らす工夫を真似ています。 
完成した鋳型を鋳造室に並べて、いよいよ青銅を流します。
この授業では大きな50kg用の熔解炉と、写真の10kg用の小さな熔解炉を使いました。青銅が熔けて流しこめる温度にまで上昇しています。 
ルツボ(熔けた青銅を入れた容器)を熔解炉から取り出し、女子学生が流し込みます。 
青銅を流し入れています。わずか数秒の一瞬です。集中して作業しているので学生は静寂の中にいます。 
鋳型から製品を取りだし、不要な湯道部分を金ノコで切断します。 
鋳バリはヤスリで削り取ります。 
ヤスリに力が入るよう、製品の固定方法を工夫しています。工夫は重要です。 

以下に、販売作品の一部をご紹介いたします。それぞれの作品は、どのような方法で鋳型の隙間を作ったか考えてみてください。 

[受講生]
鋳金A(生型鋳造)/2~3年生対象
生型鋳造/4年生対象

[選択必修となるコース]
鋳金A(生型鋳造)/デザイン工芸コース
 ※他のコースは選択科目
生型鋳造/造形芸術コース、デザイン工芸コース
 ※他のコースは選択科目

[担当]
三船 温尚(芸術文化学部 教授)

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