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2017.02.14

【名物授業】芸術文化キュレーションコース学生は必修科目の「鑑賞のための造形演習」/「木彫でそよ風を表現」(浮彫:第11回~第13回)

まず「そよ風」を表現する図案構想を紙に鉛筆で描きます。

授業科目名「鑑賞のための造形演習」 

図案を鉛筆で板に写し描きます。 
彫刻刀で彫っていきます。慣れないので最初は恐る恐る彫りはじめます。 
側面にも文様を彫ります。側面の図案も重要です。 
制作後に、そよ風を表現した阿弥陀三尊像の「蓮池」を鑑賞してミニレポートを論述します。

<第11・12・13回授業>
彫刻刀で板を浮彫して、「心地よい、そよ風」を表現した台を制作する課題です。制作後に、国宝法隆寺阿弥陀三尊像(伝橘夫人念持仏)が乗るそよ風を表現した蓮池を鑑賞します。自作の図案と白鳳時代の図案を比較し、制作体験を基にミニレポートを論述します。 

<浮彫制作の条件>
1.制作する板はテーブルや棚の上で花器や置物を置く台を想定する(台という用途を持つ工芸品の制作)。
2.「そよ風」を表現する図案に用いる素材(モチーフ)を、自然物・植物・動物・幾何形体などのなかから選ぶ。
3.素材を用いて、基本となる文様化した1つの単位地文を考える。
4.必要に応じて、主要文を地文の上に配置する。
5.地文1単位を繰り返して配置し、あるいは、1単位を回転・変形・拡大縮小などして配置し、全体の図案を考える。

<ミニレポートの紹介>
1)木彫浮彫の「難しさ」と「おもしろさ」は何でしたか。
・小学生以来の彫刻刀の扱いは難しかった。彫りすぎるともとに戻らないので、前回の粘土塑造と違った。
・板を彫るときの音が心地良いと感じた。
・木目に沿うとスムーズで心地良い感触で彫れるので、おもしろかった
・鉛筆の滑らかな図案線を浮彫で表現するのはとても難しかった。

2)「蓮池」の図案について論述してください。
・風は見えるものではなく感じるものなので、蓮池は良い図案だと思った。
・上に乗る仏像が「静」であるので、蓮池で動きを表現し釣り合いを取っている。
・主文様である蓮花は、横向きや蕾を混在させることで穏やかな変化が感じられる。
・曲線が多く複雑に絡み合っているのに、全体をみたときにそよ風を連想させるのは驚きだ。
・余白を用いない図案は圧迫感を与えると思うが、蓮池は風の表現が先か、地文・主要文の規則が先か、興味深い点である。
・蓮池は蓮、波がモチーフのため、軽やかさというよりは華の香が感じられ、しっとりとした印象を受けた。
・図案にはリズムや調和があり、気持ちの休まる心地よさを感じた。
・風そのものではなく他のモチーフを組み合わせて現象を浮彫することで風を表現する発想に驚いた。

浮彫作品
この浮彫授業の図案構想と木彫制作は4時間でした。いきなり「風」のテーマが与えられ、慣れない木彫での制作を、極めて短時間でおこないました。その浮彫作品を以下に紹介します。なお、文様を見やすくするため、完成後に薄黄色の塗料を塗っています。

[受講生]
2〜3年生対象

[必修科目となるコース]
芸術文化キュレーションコース(文化マネジメントコース)
※他のコースは選択科目

[担当]
三船 温尚(芸術文化学部 教授)

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