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2016.12.27

【名物授業】芸術文化キュレーションコース学生は必修科目の「鑑賞のための造形演習」/「線と余白」(水墨画:第6回~第8回)

模写から独自表現への展開を体験するために、手本となる水墨画の線の性質と余白を自分の感覚で捉え直して描写します(第7回授業)。 

授業科目名「鑑賞のための造形演習」 

中国、韓国、日本の紙本墨画、絹本墨画、墓壁画などの古典を模写する体験をとおして、古典作品を鑑賞しました。さらに、作り上げられた様式を壊して新しい表現に挑戦する疑似体験により、鑑賞の幅を広げました。

<第6回授業>
古典の水墨画から3種類を選び、1枚の和紙に構成して模写する。描いた人の筆の運びや、墨の濃淡を真似て描く。最後に鑑賞して良いと思うものに投票する。模写で気付いた他の人の描き方について文章で記録する。

<第7回授業>
手本の模写部分に、模写ではない自分のオリジナル部分をつなげて(描き加えて)、1枚の水墨画を完成させる。「古典の模写から独自の描写への独創的な展開」を体験し、感想を文章で記録する。

<第8回授業>
絵巻物を水墨画で制作する。テーマは「連続して変化する風景」。風景は「自然の風景」、「人工的な風景」、「行事の風景」などから自由に選んで物語を創作し水墨画で描く。ミニレポートを提出する。

<ミニレポート課題>
第6回~第8回の授業でおこなった「水墨画」について、「古典模写」と「新規性・独創性」について考えたことを記述する。
ミニレポートには、以下のような記述があった。「初めは文字を書くように筆を使っていたが、手を浮かせる、墨汁を飛ばして模様を描く、水分を含ませて濃淡を変えるなどの工夫で独自性が生まれた。」、「模写は真似ることが重要で楽であったが、絵巻物は創造性が必要で、創造性は自身の経験から湧きだすものだと感じた。」、「模写から独創的な絵巻物を体験し、基本があっての創造だと感じた。」、「オリジナルの絵巻物は模写と異なり、みんなのびのびとした線が描けていた。」、「絵巻物はアイデアが表現され、模写とは違う点からみんなの作品を鑑賞した。」、「古典模写から離れて、絵巻物ではそれぞれが自由に絵を描いた印象を受けた。」、「模写では似せる意識を、絵巻物では感性を使ったと感じる。」 

気にいった古典の手本を模写しています(第6回授業) 。
複数の手本を画面上に構成して、構図と余白を意識して模写しています(第6回授業) 。
描く枚数が増えると、墨で描く怖さが無くなってきます(第6回授業) 。
制作中の教室の風景(第7回授業)。
古典模写と独自の表現を構成して描きます(第7回授業)。
積極的な独自の表現が模写に加わっています(第7回授業)。
模写を離れ独自の表現のほうが多くなっています(第7回授業)。
完成した水墨画を貼って鑑賞し良いと思う作品に投票します(第7回授業)。 
現代的なテーマ(夜の風景など)に挑戦しています(第8回授業) 。 
3回目の水墨画の授業なので、自由にのびのびと描いています(第8回授業)。
自分なりの墨の濃淡や線にぼかしを重ねる方法で描いています(第8回授業)。
模写の硬さが抜け創作物語の絵巻物制作に集中しています(第8回授業)。

[受講生]
2〜3年生対象

[必修科目となるコース]
芸術文化キュレーションコース(文化マネジメントコース)
※他のコースは選択科目

[担当]
三船 温尚(芸術文化学部 教授)

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