卒業研究・制作

作品/建築

「River side Park -遊水地型公園のランドスケープの提案-」

石井 咲希(建築デザインコース)

ランドスケープデザイン/建築模型、図面

第2会場:富山大学 高岡キャンパス

 近年増加する短時間の大雨によって、河川の氾濫や、住宅地及び市街地への浸水被害が懸念される。洪水対策の1つである遊水地公園は、平常時は公園施設として機能し、洪水時には貯留施設へと姿を変えることで、周辺地域への浸水被害を防いでいる。
 本計画では、洪水後の排水による水位の低下を、風景の変化として楽しめるようにすることで、日常と非日常を繋ぐ遊水地公園を提案する。

「「にげ」の概念を活かした建築-古民家改修における空間提案-」

井上 人太(建築デザインコース)

建築再生/建築模型、図面、在来工法サンプル

第2会場:富山大学 高岡キャンパス

 建築において、部分が全体を形成する重要な役割を担っているのでは無いだろうか。そこで、部分を主体として扱い、部分から全体を考える順逆的な設計に試みる。また、実寸での制作を行いディテールへの理解を深める。研究テーマを「にげ」として古民家のリノベーション設計を行う。
 本来、接合の際に用いられる手法を概念的に捉え直し、スケールを空間・部屋単位に拡大することで、その概念が設計において有効であることを示す。

「視覚的交流で共生を育む地域社会福祉施設」

梶田 美結(建築デザインコース)

建築意匠/建築模型、図面

第1会場:高岡市美術館

 共生社会の実現のため健常者と障がい者が地域内で交流をもつことが重要であるとされている。そこで、石川県輪島市「輪島KABULET」を研究対象施設として、社会福祉施設の空間が健常者と障がい者の交流に影響を与え障害理解に繋がるのかをアンケート調査により研究した。ここから、視覚的交流を促進する空間が両者の交流に影響を与え健常者の障害理解を高めることが推察できた。
 設計では、地域住民が日常的に利用する空間に福祉機能を組み込んだ施設を設計した。

「高齢者福祉×自動運転 〜離散型CCRCの提案〜」

倉元 陽(建築デザインコース)

建築デザイン/建築模型、図面

第1会場:高岡市美術館

 少子高齢化により高齢者の割合は増加している。特に自動車の免許返納を行った高齢者は一気に交通弱者となり、生活圏は縮小する。しかし近い将来自動運転が普及することで、高齢者の暮らしは変化するのではないか。
 必要な施設を1つのエリアに集約して生活するCCRCという取り組みもあるが、自動運転の普及により、まち全体に点在している施設を繋げることが可能になる。本設計では、自動運転により集まった様々な年代の人々が交流できる複合施設を考える。

「いかす-拠点から広がる古民家とまちの未来-」

高田 有梨(建築デザインコース)

第2会場:富山大学 高岡キャンパス

「まちが舞台になる-それぞれの使い方が生まれる建築-」

田熊 初妃(建築デザインコース)

建築意匠/建築模型、図面

第1会場:高岡市美術館

 踊りと人々の幸福の関係は密接だと思う。人は今もダンスを愛するが、街中には踊ることができる場所はない。踊りは祭りなど祝事に欠くことができず、日々のストレスを忘れ熱中することができ、明日を生きるエネルギーをくれる。
 駅前はバスや車の機械的な回転運動のための街中の空洞であるが、みんなが自由に使えるその場所は、それぞれの目的を持った人が交わり、喜びや楽しさを共有することができる空間になる。

「“縁”小路-子どもたちの居場所のための仕掛け-」

林原 穂波(建築デザインコース)

建築再生/模型、図面、ドローイング

第2会場:富山大学 高岡キャンパス

 車社会、少子化、遊びのデジタル化といった目まぐるしい環境変化の下、子どもたちの居場所はまちから消滅しつつある。しかし、子どもたちが世界を把握し、自己を形成するためには、居場所の多様なきっかけが必要である。
 そこで、街の息遣い滲み、介在する小さな世界である「小路」に、子どもたちの居場所の種をまき、気になる仕掛けで結ぶ。人と人、人と街、人と時間を繋ぐ、ガイドとなることで、街での体験、愛着を付与し、誰もが暮らしやすい活力のあるまちとなる。

「Zooasis -都市のオアシスとしての動物園-」

原田 奨也(建築デザインコース)

建築デザイン/図面、模型

第1会場:高岡市美術館

 最近の動物園は動物福祉に焦点が当てられ、展示方法が工夫されている。しかし、園内に動物の居場所が点在し、人間が動物を見て回るという構造は変わらない。
 本設計では、都市の中でも自然を有する数少ない場所である動物園を動物が暮らす自然を人間が巡る場所へと再編する。そこは、本来の生息地から離れて生きる動物にとっても、日々目まぐるしい変化が起こる都市の中で生きる人間にとっても、「オアシス」のような場所となる。

「あの世とこの世を繋げる能の建築」

藤澤 ともみ(建築デザインコース)

建築意匠/建築模型、図面

第1会場:高岡市美術館

 現代の能の建築をつくることで、この世にあの世を開くことができるのか。
能は戦や飢饉が多い室町時代に成立し、現代人はあの世を遠いものとして認識し、日常から離れた。人が流動し多様な活動が渦巻く大都市こそが敷地に相応しい。
 演目の謡を精査しあの世を表す6要件を抽出した。これに、芸術表現であるプロジェクションマッピングを加え、演者と観客、この世とあの世の境目が開く、閉じた建築を設計する。映像を天井と側面壁、さらには床に投影し、建築内外が舞台となり、人々はあの世を垣間見る。
 この建築によって、現代人は新しい能を体験し、生きることはより瑞々しい経験となるだろう。

「伝統をつなぐ〜穴水町中居における伝統漁の保存と継承そして伝播〜」

安河内 匠(建築デザインコース)

建築意匠/建築模型、図面

第2会場:富山大学 高岡キャンパス

 地域の風土や歴史に根ざしたその土地特有の伝統漁は、地域活性化に有効な資源となる可能性を秘めている。しかし、それらの伝統漁は後継者不足などの課題から、衰退の一途を辿っている。穴水町においても例外でなく、ボラ待ち漁などの伝統漁が存続の危機に瀕している。
 そこで、穴水町中居に伝統漁展示体験施設を提案し、地域住民と観光客との交流を促すことで、伝統漁の保存・伝播・継承のサイクルを誘発する。

「Cypher Architecture-偶発的な領域から成る繋がりの拠点-」

山田 真鈴(建築デザインコース)

建築意匠/建築模型・図面

第1会場:高岡市美術館

 アラビア語の0を起源とし、参加者が自発的に街の一角に輪を作る演舞である“サイファー”は偶発的なパフォーマンス参加者の焦点を作り、人垣の側を通り過ぎる傍観者の関心を誘う機械である。
 自由参加を認める開放性に加え、「語り」の始まりと同時に発生し、終わりと同時に消滅する空間現象の即興性から、無正確な街角は、語り、語られる場所となり、価値を共有できる「生きた風景」に突如として変貌する。この空間の即興性と移ろいを設計に取り込み、繋がりの輪を広げられる駅前広場とする。

「新しい『風景』:3世代の家と市民の家」

石川 天 (人文社会芸術総合研究科)

意匠設計/スチレンボード、スタイロフォーム、プラ板

第1会場:高岡市美術館

 「風景」に思いを馳せ、失われた私のまちの風景に疑問を抱く。その関心から、まちや自然の存在を感じられる特別な内部を持つ調和した住宅を実現する。
 近世の住居を訪れる度、そこには現代よりも開かれた風景がある様に思った。そのため近世のまちや武家屋敷の風景を研究し、現代住宅に取り入れ、3世代家族の住宅を設計する。武家屋敷の公共性を現代建築に組み込み、社会との交流の場にする事で、この住宅は風景としてまとまり、新しい生活の場になることを期待している。

WP Twitter Auto Publish Powered By : XYZScripts.com