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2015.12.25

【受験生へのメッセージ】「カタチよりも構成」大氏 正嗣

バラエティー溢れる芸術文化学部の教員が、受験生のみなさんに伝えたいこととは…。担当する授業の特色と研究の魅力、そして地域連携活動等をとおして見えてくる受験生へのメッセージ。

[教員]
大氏 正嗣 おおうじ・まさし 教授

[担当コース]
建築デザインコース

[専門分野]
構造デザイン、数理的配置計画、木材の積層架構等

[研究テーマ]
「社会における構造デザインの在り方」
「公共施設等の地域ポテンシャルへの影響の研究」
「重ね透かし格子床架構の研究」

「教育の特色」
 建築構造に関する授業を担当しますが、専門知識習得のための授業の他に様々なコンペへのチャレンジを応援しています。講義では現在プロジェクト授業として行っている「空間分析」。富山県内にある有名な建築を舞台として、そこの空間にピッタリな恋愛模様を皆で考えショートストーリーにしてしまおうという試みです。裏の名称は「恋愛×建築」プロジェクト。空間をきちんと分析し、それを文章で人にわかるように的確に表現する。この簡単なようで難しいこと。他のどこの大学にもない授業です。他にも「構造計画」。ここでは計算ではなく直感でモノや建築を認識するトレーニングを行います。建築を知るための興味深い方法を提供します。
【名物授業】空間分析【名物授業】空間デザインAの公開制作、【ニュース】景観開花。受賞(2013年2015年)

「研究の特色」
 現在進めているのは「構造デザインの体系化に関する研究」です。建築のデザインは意匠設計に陽の目が当たりますが、その根本を生み出す架構は構造体です。専門が分化・特殊化していくのではなく全てが統合されていくように建築を見ることで、より良い建築を生み出すための方法論を探っています。また、新しい木架構の研究も行っています。他にも、地域活性化のため公共施設を活用する方法の研究も行っています。今までうまく使えていない施設を活用、さらにそれらがどのように配置されることが有効かなど様々な観点から研究を行います。
 研究とは別に、教員が関わり現実に進めている建築プロジェクトを身近に見る機会もあります。
紀要ギャラリーつままプロジェクト(ブルボン本社ビル見学)

「地域連携の特色」
 様々な地域連携の取り組んでいます。例えば「巨大かまくら」プロジェクト。新潟県の豪雪地帯を舞台に冬にも活動できる拠点を簡易に作るチャレンジ。次に県域では「橋の県『とやま』計画」。立山連峰の借景を活かして『魅せる』橋をデザインし観光に役立てようというもの。地域単位では「高岡チョコアート計画」。チョコレートのアートと伝統工芸を組み合わせることで、衰退が激しい街の活性化に寄与しようという試み。いずれも、学生たちの協力により大きく花開こうとしています。
 また、国際協力としてネパールにおいて地震被害からの復興を手助けするための研究協力体制の構築を現在推し進めています。
紀要プロジェクト【ニュース】とやまビジネスプランコンテスト【ニュース】ネパールの国会議員が富山大学芸術文化学部を表敬訪問

空間分析 現地調査の状況(水墨美術館)
樹林の家 斜面地に建設した別荘住宅
チョコレートアート 地元工芸品である「すずがみ」とのコラボ

「受験生へのメッセージ」
 大学で学ぶべきことは実は専門知識ではありません。専門知識を必要とする背景を知ること、社会的問題を解きほぐすコミュニケーション能力を得ること、そして問題に対してどのように取り組むのかを知ること。結果として、これらを遂行するためには専門知識は必須となるでしょう。ただ大切なのは、専門知識を得ることが目的ではなく用いるべき問題を見出すことが重要だと知ることです。複雑さが増しているこの時代において、一つの専門を知っても問題を解決できないケースが増えています。だからこそ、複数の専門的な知識を持つこと。4年では足りないかもしれませんが、それを追い求められるモノがこのキャンパスにはあります。

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