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2021.12.24

【学生の日々】「GEIBUN13」卒業・修了研究制作紹介 No.5

卒展「GEIBUN13」に向けて、研究・制作を進めている学生にインタビューを行いました。それぞれの学生の取り組みをご覧ください。 

《GEIBUN13 卒業・修了研究制作紹介No.5》
建築デザインコース 田中 菜々   

Q1、卒業研究・制作のテーマを教えてください
「地域と呼応するリノベーション-木浦を結う場の存続に寄せて-」です。統廃合後の廃校舎となる新潟県糸魚川市立木浦小学校を公共図書館として改修します。「木浦地域にある地縁×建築が生みだす利用縁」をコンセプトに、地域の方や他地域の方が利用する図書館と地域の交流施設として設計します。木浦小学校に元々ある図書室という機能を延長し、地域に開放します。廃校活用なので、学校建築の歴史調査や類型分析をし、学校という建築に向き合った改修を進めています。また、現代ではオンラインでいつでもどこでも本を見ることができますが、図書館を設計するにあたって「オンラインの時代に敢えて訪れたい図書館」を空間として表すことができればよいと思っています。

Q2、このテーマを選んだきっかけを教えてください
母校の木浦小学校の統廃合が検討されていると知ったことがきっかけです。在校生の時から、毎日の登校や学校行事、時には授業やクラブ活動に地域の方が積極的に参加してくださっていたことが印象的でした。在校生だけでなく地域の方々との関わり・地域の方同士の交流の場である木浦小学校という「地域を結ぶ場所」の存在を存続させるために、私が学んできた建築の分野でその方法を模索してみたいと思い、制作を始めました。

Q3、研究・制作の過程で大変だったことはありますか?
木浦小学校の廃校舎にどんな新しい役割をもたせたいのかということを今年度春からつい最近まで悩みに悩んでいました。木浦地域にはスーパーやショッピングモール、全国各地から観光客が訪れるような観光名所等はありません。地域の方々が自然の営みの中で豊かに健やかに生活しておられます。そのありのままの木浦での暮らしが何より尊いものだと思っています。廃校舎に新しい機能を加え、それが果たして地域に良い作用をもたらすのかが私の中でなかなか踏み切れず、紆余曲折に多くの時間がかかってしまいました。

Q4、調査を進める中で、印象に残っているエピソードはありますか?
現地調査として、木浦を訪れた時です。道を歩いているとすれ違う地域の方が「菜々ちゃん!」と声をかけてくださいました。木浦小学校の改修設計のための調査に帰省したと伝えると、何度も「ありがとうね。大きくなったね。」と手を握ってくださいました。地域の方や木浦小学校の校長先生も親身になってヒアリング調査に協力してくださり、私が設計のコンセプトにしている地縁を身に染みて感じました。正直、方向性に息詰まって帰省したというのもあり、この出来事があって制作に対する意欲がより強くなりました。

「展示会場」にて制作・研究内容の展示も行っています。皆様のご来場お待ちしています。
また、Twitter、Facebook、Instagram による情報発信も随時行っていきます。

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《執筆者からの一言》
廃校舎となる母校を再び地域を結ぶ場所として蘇らせるため、「まずは地域に寄り添うこと」を第一に考えていることが印象的でした。また、取材をする中で、母校や地域の方々に恩返しをしたいという彼女の強い思いを感じました。この制作を通してその思いが伝わるよう、彼女自身が納得のいく作品ができるよう、応援しています。

[取材・写真・文・編集]
卒展キュレーター委員会(2021年12月24日)
執筆者:建築デザインコース 大茂 悠美

[関連リンク]
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