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2021.10.29

【学生の日々】「GEIBUN13」卒業・修了研究制作紹介 No.2

卒展「GEIBUN13」に向けて、研究・制作を進めている学生にインタビューを行いました。それぞれの学生の取り組みをご覧ください。

《GEIBUN13 卒業・修了研究制作紹介No.2》
美術・工芸コース 飯野 那々子 

Q1、卒業研究・制作のテーマを教えてください
人が生きている中で訪れるその時々の感情を絵に切り取っています。その時々の感情を切り取るという行為は、人の記憶を日記や写真に写すことと同じだと私は考えています。人の感情は必ず揺れ動く瞬間があると思います。その瞬間はどれを切り抜いても、とてもダイナミックで美しく、それを絵にしたら美しい作品になるのではと思いました。
感情が揺れ動く瞬間が笑ったり泣いたりして顔に出てくるときも、もうもみくちゃできたないけれど、やっぱり生きる人の苦悩の現れだから全部きれいだとそう思ったので、感情にフォーカスを当てることにしました。

Q2、このテーマを選んだきっかけを教えてください
このテーマに取り組もうと思ったのは、大学1年生の時です。
初めて自発的なテーマで絵を描き上げたとき、それがしっくりときたので大学生活の集大成となる卒業制作でもテーマにしようと思いました。

Q3、どんな考えを経てその自発的なテーマになったのですか?
まず、自分の心情を絵にしたいと思っていて、そのときすごく悩み事が多かったので、前に進まなくてなかなか沼みたいなところから抜け出せない、みたいな絵を描きました。
完成した絵を見たときに、ああこれが私なんだと認識できて、それから自分の心情を絵にすることが自分を見つめ直す手段になりました。
去年、とある作品を描き上げたあとのことです。友達と会話する中で、自分が悩み作品の題材にした事は、自分ごとに収まらず他人にも同じように当てはまることもあるということに気づきました。だからこれをテーマにしようと思いました。

Q4、研究・制作の過程で大変だったことはありますか?
テーマや描きたいものを考えるときが1番大変です。卒業制作って最後な気がしていて、余計に身構えていました。ここ最近まで悩んでいて、やっぱり原点をテーマにしようと決めました。なんだかんだ私は暗い絵しか描けないなとすこし諦めた部分もありますが、その中でも自分で明るく捉えられるようにと思い、テーマを選びました。

卒業制作展では高岡市美術館にて制作・研究内容の展示を行います。
皆様のご来場お待ちしています。
また、TwitterやInstagramによる情報発信も随時行っていきます。

《執筆者からの一言》
彼女にとって絵を描くことは、自分自身や他者と向き合い、人を慈しむための行為のように思えた。インタビュー中に彼女は「自分には暗い絵しか描けない」と言っていた。自分の表現するものの印象が暗いことに、どこか劣等感を抱いているのかもしれない。でも、暗いところからでないと見えないちいさな明かりもあると思う。彼女にしか見つけられない人の感情のゆらぎを、安心して表現していけるよう、陰ながら応援している。

[取材・写真・文・編集]
卒展キュレーター委員会(2021年10月29日)
執筆者:美術・工芸コース 八重畑 潤

[関連リンク]
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