2021.11.12
【学生の日々】「GEIBUN13」卒業・修了研究制作紹介 No.3
卒展「GEIBUN13」に向けて、研究・制作を進めている学生にインタビューを行いました。それぞれの学生の取り組みをご覧ください。
《GEIBUN13 卒業・修了研究制作紹介No.3》
デザインコース 立田 怜奈
Q1、卒業研究・制作のテーマを教えてください
曲線折りによる紙造形 −素材と手の感覚による考察− です。
Q2、このテーマを選んだきっかけを教えてください
手で直接素材やものを扱って法則性・情報を掴む力と、そこから形やものを考える力を身につけたいと思い、身近な素材である紙を折り始めたことがきっかけです。
Q3、研究・制作の過程で大変だったことはありますか?
紙の立体を理想の形により近づけるために改良していく作業が大変だと感じています。展開図とその展開図から実際に折ってできた形を見比べながら改善を加えて新しい展開図を作っていくのですが、実際に折ってみないとわからないことばかりで完成形の予測が難しいです。そのため時間と手間をかけても思い通りにいかない失敗を繰り返しながら、時には泥沼化していくこともあるのが大変です。
Q4、どんな紙を使っていますか?
初めは硬くて厚めの形が綺麗に出しやすいワトソン紙を使っていました。しかし紙にもいろんな種類の紙があり、先生のアドバイスを受け和紙に興味を持ちました。五箇山で作られている和紙を使用してみることにしました。今までの紙に比べ薄く不安はありましたが、実際に折ってみると線に沿って綺麗に折れてくれて、作業的にも効率がよかったので、そこから和紙を卒業制作に使用しようと決めました。
Q5、卒業制作へ打ち込む中で生まれた思いはありますか?
私は建築やデザインなど今まで広く浅く学んでいて経験を着実に積み上げていく機会が少なかったのですが、今回の制作で覚悟を決め、一つのテーマや素材にこだわり追求していくことで少しずつ成長していく経験をしています。初めは既存作品の模倣から始まった今回の制作ですが、学内展示や小矢部アウトレットでの展示で作品を出す中で少しずつできることが増えてきました。模倣を離れ経験則から自分で新しい形を考え、未知の領域に踏み込んでいくこともできるようになったことで自分に自信が持てるようになりました。これから卒業制作に対して不安に思う人たちに私は、何か一つ覚悟を決めてやり遂げていけば成せることを伝えたいです。
Q6、卒業制作展を見に来てくれる人たちに注目してほしいところはありますか?
折られた線だけでなく、紙の面や、折られたことによって生まれた陰影なども含めてみていただきたいです。またどんな印象を受けるか想像力を働かせてみていただきたいと思います。
皆様のご来場お待ちしています。
また、TwitterやInstagramによる情報発信も随時行っていきます。
《執筆者からの一言》
紙の立体造形は折られた曲線が美しく、また素材や工程がシンプルな分、より素直にその美しさがわかりやすく、見る人に訴えるものがあると思います。紙を折った作品というシンプルさの裏にはたくさんの試行錯誤があります。彼女が様々な思いを抱えながら日々の試行錯誤の結果生まれた作品を多くの人に楽しんでもらいたいと思います。
[取材・写真・文・編集]
卒展キュレーター委員会(2021年11月12日)
執筆者:デザイン工芸コース 前田 詩織
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