2020.11.16
【イベント】(展示・販売)同じものがつくれない、これまでになかった生型鋳造の授業学生作品を“市民の方々に販売”いたします。
(展示・販売)同じものがつくれない、これまでになかった生型鋳造の授業学生作品を“市民の方々に販売”いたします。
原型を使わない富山大学独自の多品種一品生産型の生型鋳造法による販売を目的とした学生の青銅作品(錫15%・銅85%)を販売します。
PDFはこちらをご覧ください。
[会期]
2020年11月16日(月)~11月21日(土) 9:00 ~ 17:00
※21日の土曜日は地図の入り口のみが入構可能です。ご注意ください。
[場所]
富山大学 高岡キャンパス(高岡市二上町180)
1階 TSUMAMAホール(エントランスホール)
会場アクセス
[販売点数]
85点(価格は300~2,500円)
[購入方法]
会場に購入方法を掲示しておりますのでご参照ください。
購入作品は会期終了後に宅配便でご指定の場所にお送りいたします。
[販売価格]
学生個々が自作の作品に価格を付けました。
【大学が学生作品を販売するまでの経緯】
国立大学法人が授業の学生作品を販売し収益を上げることはこれまでできませんでした。販売に至る経緯は以下の通りです。
高岡の地場産業である高岡銅器の新しいタイプの作品制作(商品製作)を授業で行い、一般販売による消費動向観察を含めた地場の産業工芸品研究を学生が行うことを、授業担当教員が計画し、大学が授業の一環として授業作品を販売することが可能か文部科学省へ打診しました。
その後、文部科学省高等教育局国立大学法人支援課 研究振興局学術機関課から、「国立大学法人等が実施することができる「収益を伴う事業」の考え方について」(平成28年3月31日)が各大学に対して示されました。
今回の芸術文化学部の生型鋳造の授業作品85点を販売することは、「その取り組みを行うことが、教育研究活動上必要である、又はその取り組みを行うことが教育研究活動の活性化、効果の最大化に寄与する」という上記の「考え方」の範囲に含まれます。
この具体例として、「大学が行う教育研究活動の中で生み出された成果物(農畜産物、海産物、工作物、絵画、試料等)を、一般に販売すること」とあり、学生が生型鋳造の授業成果作品を富山大学へ譲渡することを承諾し、大学が販売することが可能になり、教育研究活動の効果の最大化が図れることとなりました。
【多品種一品生産の生型鋳造の可能性と魅力】
生型鋳造は、高岡銅器の主要な生産技法です。業界で行う「一品種大量生産」の生型鋳造品(原型をつくり、それと同じ形を量産することが生型鋳造の従来の方法)ではない、富山大学独自の新たな提案を含んだ「多品種一品生産」の生型鋳造品(原型をつくらないで鋳型に直接加工する、同じものがつくれない一品生産の方法)は、不可能であった鋳型が抜けない角度の形状やこれまでになかった表現を可能にした「多品種・新規的・量産・低価格」に展開することができます。
この新たな方法を取り入れるだけでは現代の需要に沿うものはつくれません。学生の感性が全面的に反映されることが重要で、固定観念に囚われない柔軟な発想が、次の新たな工芸産業を生み出すはずです。こういった趣旨で学生が取り組んだ制作ですが、産業工芸品の商品開発に挑戦することは、誰にとってもたやすいことではありません。
多くが初めて鋳造する学生であるため完成度が低いのは仕方がありませんが、輝く魅力が作品の随所に見られ、「これいいなあ」と思えます。工芸品に完成度はどれだけ必要なのだろう、現代の人々は工芸品にいったい何を求めているのだろうかと、これまでの固定観念が揺さぶられます。
ぜひご高覧くださいますようよろしくお願いいたします。
三船 温尚(学術研究部芸術文化学系 教授)
【問合せ先】
富山大学 芸術文化学部 三船 温尚
0766-25-9111(代表電話)
0766-25-9162(直通電話)