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2024.08.29

【名物授業】授業科目名「アートマネジメント演習」/詩人、松井 茂氏による特別講義「芸術体験のキュレーション−詩を体験する試み」

[概要]
詩人で映像メディア学の研究者である松井茂氏(情報科学芸術大学院大学[IAMAS]教授)をゲスト講師に、詩の制作を通じて、芸術体験の実習を2週間にわたり実施しました。
松井氏は、言葉はフリー(つまり自由であり無料)なメディアで、誰もが使うことができる。同時に、自分の言葉は、誰かが使ってきた言葉として過去に接続しているといいます。言い換えれば、誰かの言葉の読者(鑑賞者)であることを自覚し、未来にその言葉を運ぶ形式を見出すことが「詩」であると定義します。作者である前に鑑賞者でもあることを意識することを目的に、「引用のある詩」を課題に、学生たちは実習を体験。2週にわたる授業を通じて、鑑賞と制作が循環する、開かれた芸術体験を意識することができました。授業の成果として完成したアンソロジーをご覧ください。

『2024引用のある詩集』(以下のリンクからご覧いただだけます。)https://drive.google.com/file/d/18QXz57i21cCbT19S5ir3PME_383K7evt/view?usp=sharing

「アートマネジメント演習」での詩人、松井茂氏による特別講義「芸術体験のキュレーション−−詩を体験する試み」。
松井氏の音声詩をはじめ、山村暮鳥や草野心平の詩、新國誠一の具体詩、篠原資明の超絶短詩などさまざまな詩の表現を学びました。
松井茂「音声詩 時の声」2009年(講義スライドより)。授業では音声詩の朗読を聴き、詩が声やオノマトペ、聴覚を使った身体芸術でもあることを実感しました。
授業の成果として完成したアンソロジー『2024引用のある詩集』

友人の言葉や家族とのLINE、小説や漫画、音楽、短歌など、引用元はさまざまです。引用という形式がインストラクションとして与えられることで、自身の主張や感情から一度距離をとることができ、その余白に自分自身がふっと現れ出てくる。詩にはそのような不思議な力があると感じました。
「詩は大切なことを語るための技術である」と語る松井氏。アリストテレスの『詩学』やホラティウスの『詩論』が文学や芸術理論の基盤としてあるように、詩が表現の根幹にあることをあらためて意識する2週間となりました。

[授業科目名]
アートマネジメント演習

[担当教員]
松田 愛(富山大学芸術文化学系 准教授)

[受講生]
芸術文化学部3〜4年生

[関連リンク]
【受験生へのメッセージ】「歴史を学び、美術の可能性を考える」松田 愛

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