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2017.03.15

【名物授業】空間デザインF(建築再生I)

地域の方々から吉久についてヒアリング

授業科目名「空間デザインF(建築再生I)


日本ではこれまで、いわゆる消費型社会であり、スクラップ/ビルドを繰り返し、多くの建物を解体しては建てることを繰り返してきました。
今日、人口減少、都市の一極集中などの諸問題に端を発し、空き家も大きな社会問題となり、既存建物を再生・活用し、その集合体としての街並みや地域のコミュニティーを創造し、ストック型社会へと変換することが強く求められています。
その意味で、既存空間をいかにデザインして再利用するか、建築・インテリアデザインにとって重要な課題です。この授業では、具体的な事例を通じて、実測からデザインまで、具体的に建築再生設計を学びます。
2016年度は吉久の町家を取り上げ、その実測作業や実測図の作成を学び、次に古民家を学生シェアハウスとして再生する設計課題に取り組みました。
吉久は、小矢部川と庄川の河口に位置し、江戸時代に加賀藩の御蔵が建てられ、米の集散地として栄え、また明治から昭和初期には、伏木港周辺の工場労働者たちの住宅が多く建てられ、歴史的なまち並みが形成されていましたが、現在は空き地、空き家も目立ち、歴史を残しつつ、暮らしやすい街として存続していけるかどうか、大きな岐路に立たされているところです。
授業に際して、吉久まちづくり推進協議会、NPO法人吉久みらいプロジェクトの全面的協力を受け、計画対象とする町家を提供していただき、昔のくらしぶりの話もしていただきました。授業の最後には、授業成果を還元する意味で、地域の方々への発表会も実施し、秋祭りでは図面や模型を実際の町家に展示しました。仮想プロジェクトとしての取り組みでしたが、今後の積み重ね次第では、実際のプロジェクトとして動きだすことも期待しています。
学生にとっては、キャンパスを飛び出し、実際の街で、実際の建物を対象に課題に取り組み、地域の方々から直接話を伺い、地域の方々への発表など、貴重な体験をさせていただいたので、今後のデザイン活動に大いに生かしてほしいと期待してます。 

実測調査方法について学ぶ
役割分担して実測調査
築90年の町家を体感
フィールド調査は体力勝負
実測メモ、きれいに描くのは至難の業
キャンパスを飛び出しフィールド作業を満喫
古民家のリノベーション現場見学
町家を学生シェアハウスにリノベーション、学生作品の一例
吹抜けや屋根構造をあらわし、プライベートと空間を結ぶ案
学生作品模型
学外での貴重なプレゼンテーション体験
地域の方々への発表会、多くの地域の方々が参加してくださり、様々なアドバイスを頂きました


[受講生]
3~4年生対象 

[選択必修科目となるコース]
なし
※4年生(平成25年度以前入学者)のみデザイン工芸コース
  他のコースは選択科目

[担当]
萩野 紀一郎(芸術文化学系 准教授)
横山 天心(芸術文化学系 准教授)

[関連リンク]
【受験生へのメッセージ】「『手で考え、体でつくる』サスティナブルな建築を目指して」萩野 紀一郎

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