2023.05.25
【卒業生の活躍】荘加 有紀さん(文化マネジメントコース※1期生)
個性豊かで地域に貢献できる芸文生は、各地に活躍できる場を見出し、社会でその能力を発揮しています。
芸文OB・OGの皆さんの卒業後の様子を、受験生・在学生へのメッセージと共にご紹介します。
[卒業生]
荘加 有紀さん
[専門領域]
文化マネジメントコース1期生※(平成21年度卒業)
※令和4年度より「美術領域」「工芸領域」「デザイン領域」「建築領域」「キュレーション領域」「複合領域」の6領域となりました。
[勤務先]
田中社寺株式会社
[部署]
工務部
[職種]
現場監督、調査員
「現在の仕事について」
文化財建造物修理工事の現場監督をしています。現場監督は施工主、設計士、職人の間に立って打ち合わせをし、工程計画、予算組、材料発注、安全確保など、工事の施工管理をします。入社したての新人だった平成22年に着工した重要文化財のお寺の本堂の大修理は、6年の歳月をかけて平成28年に完成しました。解体修理などの大規模工事は数百年おきの工事になりますが、屋根の葺き替えや塗装、左官などは数十年ごとにメンテナンスが必要となりますので、定期的に状況を確認して保護管理しています。
「芸術文化学部の学習や、課外活動が今どう活きているか」
文化財は保存・保護することが必要条件ではありますが、活用することが重要視されています。ただ修理するだけではなく、今後の利用を考えてどのように整備するか提案することもあります。
芸術文化学部で展覧会やイベントの企画を立てたり、広報やポスターのデザイン、図面制作を学べたりしたことはとても役にたったと思います。
「受験生・在学生へのメッセージ」
私は当時の文化マネジメントコース専攻で、建築の学歴は全くありませんでしたが、入社後に勉強して実務経験を積み、建築施工管理技士の資格を取得しました。高校や大学の時から専門の学歴があれば勉強時間にゆとりができただろうなと思うこともありましたが、いつから始めても遅くはないと思います。学生当時は造形やデザイン制作が得意な他学生の中で同じ授業を受けるのに引け目を感じたこともありましたが、開き直って「まわりから豊富なアイデアを学ぼう!」という気持ちで制作授業を受けるようにしていました。今でもあの子の卒業制作すごかったなとか、あの子のデザインのイメージがいいなと、ふと思い出したりすることもあります。また学生の時よりも今のほうが美術館に行く機会が増えて楽しみになりました。
芸術文化学部は本当に色んな学生がいて自由に学べる場所だと思います。興味のあることにたくさんチャレンジしてもらいたいです。
「卒業生の関連リンク」
田中社寺株式会社 WEBサイト
日向薬師 宝城坊本堂(重要文化財)平成の大修理
[令和4年度からの芸術文化学部の6領域]※
美術領域
工芸領域
デザイン領域
建築領域
キュレーション領域
複合領域
※令和4年度からは、従来のコース所属制度を廃止したオープンコース方式を実施しています。
学生は自分の適性や志望の変化に応じて、すべての領域の授業を履修することができます(受講環境により、一部の科目で履修制限を設ける場合があります)。
[大学院]
大学院人文社会芸術総合研究科