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2019.05.09

【名物授業】授業科目「卒業研究・制作」「課題研究Ⅰ」/カタクリの花から里山の魅力づくりを考える[指導教員:奥准教授(芸術文化キュレーションコース)]

(写真)カタクリの花

奥准教授が指導する卒業研究・制作や課題研究では、県内外のすぐれた自然風景地に出かけることがあります。今回は「カタクリ」が咲く白山麓の里山を学部生、院生たちと視察しました。高岡では万葉集に出てくる「かたかご」という呼び名の方がなじみ深いでしょうか。高岡市の花でもありますね。
今の季節、このカタクリの群生地では観察ツアーが催されています。道も整備され、なだらかな場所に広がっていますので、近隣のこども園の児童たちも毎年訪れて楽しんでいるそうです。

(写真)あたり一面に咲き誇るカタクリ

さて、このカタクリのお花畑は、まったく自然の力だけでできたものではありません。実は、人がたまに伐採する里山の林だからこそ、この美しい風景が生まれるのです。カタクリはもともと北方の植物なので暑さに弱く、春先だけ葉っぱと花をつけて、残りの季節は地下で球根の状態で休んでいます。そのため、早春の時期に明るい陽光が十分にあたる落葉樹の林や草原でないと、成長し繁殖することができないのです。人が使い続けてきた里山の林は、たまに伐られて明るくなり、落葉樹が優勢になりますので、カタクリがひろがっていくのに都合がいいんですね。

(写真)解説を聞きながらカタクリを観察します

そして、伐採した木はどうなるかというと、しいたけ栽培のホダ木(原木)となります。しいたけを育てることが、カタクリの花の風景を育てることにつながる。自然と人間の共同作業はとても興味深いものです。この林の所有者は、さらに下草刈りなどもおこなって、この風景を多くの人に楽しんでもらえるような管理を続けています。なだらかな斜面は、もっと収益をあげられる林業に使ってもよさそうなものですが、あえてカタクリのための場所としてとっておくことで、とてもぜいたくな空間が生まれています。

(写真)しいたけ原木を伐採した若い林がカタクリの育つ場所になります

そして、お昼はとれたて原木しいたけの、きのこ汁です。木の香りを味わいながら、おいしくいただきました。

(写真)しいたけ収穫!お昼は原木しいたけのきのこ汁です

授業科目名「卒業研究・制作
[受講生]
4年生

授業科目名「課題研究Ⅰ
[受講生]
大学院1年生

[担当]
奥 敬一(芸術文化学部 准教授)

[関連リンク]
【受験生へのメッセージ】「風景のことを学んでみませんか」奥 敬一

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