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2015.09.09

【受験生へのメッセージ】「風景のことを学んでみませんか」奥 敬一

バラエティー溢れる芸術文化学部の教員が、受験生のみなさんに伝えたいこととは…。担当する授業の特色と研究の魅力、そして地域連携活動等をとおして見えてくる受験生へのメッセージ。

[教員]
奥 敬一 おく・ひろかず 准教授

[担当コース]
芸術文化キュレーションコース

[専門分野]
風景学、風景観光論、世界遺産学

[研究テーマ]
「風景に対する認識と評価」
「自然風景地・文化的景観の保全と管理」
「里山の環境史」
「里山の保全と利活用」

「教育の特色」
 「風景」は、地形や植生などの自然環境と、その自然環境を利用する人間の営み、そして見たものを感じ取る私たち自身の心によって成り立っています。私が担当する「風景論」「風景鑑賞史」「風景観光論」「地域風景論」などの講義では、生活や文化の一部として風景を意識し、評価する態度を養うとともに、風景の成り立ちを理解してその価値を将来にわたって引き継ぎ、地域社会で活用するための方法などについて学びます。自然と文化の両面がある「風景」が相手ですから、理系・文系といった枠にとらわれず、どちらのアプローチも扱いながら、時にはフィールドにも出かけて、総合的に風景の本質に迫っていく姿勢を育んでいきたいと考えています。

「研究の特色」
 富山には、世界遺産五箇山の合掌集落や砺波平野の散居村といった文化的な景観、立山に代表される雄大な自然景観もあれば、日常の営みに根ざした豊かな生活景もあり、多様な研究の可能性を秘めています。時には森林に分け入って植物の調査をし、時には農山村で古老から昔の話を聞き、時にはアンケート調査でデータを統計的に分析し、時には古い地図や史料からかつての風景を復元し、また時には風景の構成要素をひとつひとつ調べ上げる、といった多彩な手法で、風景の価値を将来へつなぐ道筋を研究しています。

「地域連携の特色」
 風景を研究の対象とすることは、その地域に暮らす人々の生活を理解することでもあります。地域社会の多様な関係者と連携して風景の将来像を描き出すことは、風景学の大きな目標のひとつです。私の場合、とくに森林や農山村で地域固有の資源を活かそうとする取り組みと関わることが多くなります。

卒業研究での街並み景観構成要素の調査
「風景論」の講義でおこなっている、風景体験についてのグループディスカッション
大学院演習での自然環境調査の様子

「受験生へのメッセージ」
 受験生のみなさんも、いずれは職業人として、あるいは生活者として、必ずどこかで風景をつくる働きかけに加わることになります。ぜひ一度、風景について考え、学んでみてください。将来地元の地域づくりに貢献したいと思っている人、あちこち旅行に出かけて風景を楽しむのが好きな人、自然や生き物のふるまいに興味を持っている人、おじいちゃん、おばあちゃんと話すのが好きな人、などなど様々な視点から風景に関心のある方をお待ちしています。

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