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2015.07.24

【受験生へのメッセージ】「研究の中でクリエイティブな力を発揮する!」三宮 千佳

バラエティー溢れる芸術文化学部の教員が、受験生のみなさんに伝えたいこととは…。
担当する授業の特色と研究の魅力、そして地域連携活動等をとおして見えてくる受験生へのメッセージ。

[教員]
三宮 千佳 さんのみや・ちか 准教授

[担当コース]
芸術文化キュレーションコース

[専門分野]
東洋美術史、日本美術史(古代~中世)、博物館学

[研究テーマ]
「奈良美術研究(日本古代浄土教美術研究、光明皇后と天平美術)」
「平等院鳳凰堂、およびそれらの源流を求めての中国・韓国仏教美術史研究」
「越中の仏像仏画」
「博物館学」

「教育の特色」
  日本・東洋美術史を学んでいきます。歴史といっても、ただ単に時代や様式を暗記するのではありません。作品の造形的な意義を、東アジアの歴史文献史料や仏教経典等と照らし合わせて検討します。そして作品の「本質」と歴史的存在意義について論証・評価するのです。授業では、日本美術史・東洋美術史の基礎から 専門、研究まで積み上げることができます。
 また博物館学芸員養成課程についても、基礎から専門的知識・実習までの9科目を、地域の博物館での実地授業を含めながら、実践的に学んでいくことができます。
 美術の本質や文化財の取り扱い方法を知り、応用することで、文化的な面で広く社会に貢献する人材を育てることが目標です。
名物授業(「漆に恋して」展)

「研究の特色」
  日本・東洋美術史研究を専門としています。高岡には『万葉集』の大伴家持の旧跡が多くありますが、私はその奈良時代の仏教美術史に研究の軸足を置いてお り、さらに造形の源流を探るために中国・朝鮮半島の仏教美術の研究を行っています。もう少し詳しくいうと、聖武天皇や光明皇后が創建した奈良のお寺の仏像や建築は、中国固有の伝統や仏教美術の影響を受けて造られていますが、その詳細を解明しています。
 また、高岡は400年来銅器産業が盛んですが、近年私は中国の金銅仏の鋳造技術に関する研究を進めています。中国の金銅仏の鋳造技法や道具については、東アジアでも私の研究室でしか行っていない研究として最近注目を集めています。
科学研究費(東アジア小金銅仏の造像方法に関する基礎的研究)Tom’s TV

「地域連携の特色」
 当研究室では現在、高岡市が誇る文化財である、国宝・瑞龍寺の文化財調査に取り組んでいます。また伏木の勝興寺では、夏のフィールドワークとして、勝興寺文化財保存・活用事業団の協力を得て、平成の大修理工事の現場を学生と共に見学しています。
地域連携協力(「博物館実習I」授業成果展-漆に恋して-)

伏木フィールドワーク:伏木周辺の万葉歌碑・史跡や寺院をめぐり、いにしえの人はなぜ伏木を選んだのか実地にてその意義を検討しながら、古代のくにづくり、文化構想を学びます。

博物館実習Ⅰ:ある日の授業の一コマ。西洋美術の額の持ち方、展示の方法を学び、実習しています。

鋳造実験:中国・北魏の金銅仏の火焔文について、再現実験を行い、鋳造技法を解明する研究を展開しています。文系の研究と実験、科学的検証など、あらゆる方向から謎に挑んでいます。なお、鋳造しているのは私です。

「受験生へのメッセージ」
  よく文系の学術研究には、想像力やクリエイティブさは必要ないのではと思ったり、社会における貢献度が低いのではないかと思っている人がいますが、そんな ことはありません。大学で学問研究のために本を読み、探究する中で、あなたの想像力や創造力が必要になってきます。また一生懸命学べば、博物館学芸員のよ うな専門的な職業だけではなく、様々な職場で、また地域での日常生活においても、人々の文化的生活の進展や心の豊かさ・幸せに様々な形で寄与できると思い ます。社会貢献の形は1つではありません。またそのように努力していくことが、何よりあなた自身の人生を豊かにし、充実させることになると思います。

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