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2022.03.18

【留学生の今日】留学リポートvol.20!チェコから山口 優希がお届けします!

留学リポートvol.20!チェコから山口 優希がお届けします!
Dobrý den!ドブリーデン!

こんにちはー!プラハ美術工芸大学(UMPRUM)に留学中の山口優希です。Visiting artist studioに所属しています。

私は5ヶ月前コロナの真っ只中、本当に留学できるのかハラハラしながらプラハにやってきました。どうやらできているみたいですね。よかった。

さて今回の『留学生の今日』は、私の留学先ではどんな1週間を過ごすのかについて話していこうと思います。

これは2021年のautumn semesterのスケジュール。

まずは授業についてですね。
交換留学生の授業は英語で用意されていて、ERASMUS(ヨーロッパの交換留学制度)の人たちやVA(外国人のための大学院プログラム)の人たちと一緒に受けます。
授業は講義、ワークショップ、グループディスカッション、建築ガイドツアーなどいろいろあります。

授業中のパシャリ

授業の他にもセラミック、シルクスクリーン、金工、木工など様々なワークショップがあります。技術を教えてくれる人がいつもいるので、気になるワークショップがあれば参加できないか聞いてみるといいかも。

そしてスケジュールのMondayとThursdayにあるstudio consultations。これはStudioでの活動のことです。
Studioは日本でいうところの専攻。大学1年生から大学院生まで、全ての学生が何がしかのスタジオに所属し、クラウズラという学期末展示に向けて作品を作っていきます。
スタジオは芸文でいうところの卒制ゼミのような役割をします。

イラストレーションスタジオのクラウズラ展示。ここは、いつ行っても人がたくさん。
クラウズラ展示の前日、他のスタジオからやってきた教授達に向けて作品発表をする。発表後20分ぐらい質問が飛び続ける。ちょっと緊張する。

私が前学期に所属していたのはファインアート部門のsculpture studio。
ここでは1学期にするアートプロジェクトを自分で決めて進めていきます。
月曜日が教授に作品について相談をする日で、木曜日には環境問題の専門家やアーティストを招いてベジタリアン料理の夕食会が開かれました。
その他にも隣の国へ旅行したり、スタジオ全体で作品発表することもありました。
(スタジオの方針は教授によってかなり違っていて、デザイン分野だと教授に課された複数のプロジェクトをこなしていくスタジオが多いようです。旅行があるのはどこのスタジオも同じみたい。)

ここのスタジオは学生25人に教授とアシスタントが1人ずつという大所帯。芸文にいた時は学生4人につき先生が1人だったので、環境が激変。

私がここの大学の雰囲気を一言で表すとしたら「up to you」です。

この言葉をきちんと調べたことはないのですが、あなた次第、あなたの好きなようにしてという意味で私は捉えています。
そしてこれは私の前学期の教授から「何を言っているのかわからない。」の次によく聞いた言葉でもありました。(3位は「artist languageを。」で4位は「もっとflexibleに。」です。)

教授から「up to you」が発された時、いろんな感情が湧きました。なんでもやっていいんだよと言われたような気がして嬉しくなることもあったし、時にはあまりにも連発されすぎて、この人、一個人に責任全部任せっきりにして楽をしたいだけなんじゃないかと本気で疑っていたこともありました。
今思うと、学生に最大限の自由を与えて教授があまり介入してこないのがこの大学のスタイルだったのかなと思います。

スタジオミーティングの最初の日にアシスタントの人が作ってくれたカレー。これおいしかったな。

5ヶ月ここで過ごして、いろんな人にこの言葉を投げかけられました。私なりにここの人達が言う「up to you」の概念をまとめるとしたら、あなたがやることは全てあなたの責任、だからあなたが好きなようにあなたの好きなことをやったらいいよ、なのかなと思います。

書いてみたらとても当たり前のことですね。でもここに来る前、私は大学生だから先生になんでも教えてもらえると思っていましたし、何かをやりたいと思ったら、行動に移さないと始まらないということを知りませんでした。自分のやりたいという気持ちをかなり軽んじていたと思います。

そして、この言葉一色に染まったここでの生活は私にとって頭のスイッチが切り替わるような経験でした。自分のやりたいことに向けてとにかくなんでもいいから動いているとき、失敗しても次にどうするかを考えられているとき、前の自分よりも強くしなやかになった気がして嬉しくなるのでした。

最後に、右も左も分からない全く価値観も異なる国で勉強することは精神的にも体力的にも大変です。もうすっごく大変・・・。

でも今まで気づけなかったことに気づく経験や、自分自身を俯瞰する経験をこんなにもたくさんすることって後にも先にもなかなか出来ないんじゃないかと思います。私はここでたくさんのヘマをしているけど、どんなにヘマをしたってここに来てよかったと思わない日はないです。もし留学に興味を持っている人がいたらとりあえずやってみたらいいよって言いたいなぁ。

最後に夕方のプラハ城の写真を載せておきます。いつ見ても見飽きないのが不思議だな。

やー、書くのに時間かかったー。
それでは残り4ヶ月楽しく頑張ってきます!ナスフレダノウ!

[文・写真]
山口 優希 やまぐち・ゆうき 富山大学芸術文化学部 美術・工芸コース4年 在学中。2021年10月からプラハ美術工芸大学(UMPRUM)に留学中。

[関連サイト]
【芸文について】国際交流・留学ページ
【キャンパスライフブログ】 留学生の今日

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