2024.12.26
【留学生の今日】留学リポートvol.23!プラハから渡辺 咲耶がお届けします!
留学リポートvol.23!プラハから渡辺 咲耶がお届けします!
Ahoj!アホーイ!
こんにちは!プラハ美術工芸大学(UMPRUM)に留学中の渡辺咲耶です。
K.O.V studio(concept object meaning)に所属しています。ここはコンセプチュアルアートの分野で主に金属を用いた造形表現をするスタジオです。
さて今回は、ここでの生活の様子や授業のことなどを紹介していこうと思います。
高校生の時に、芸文の先輩方が書いたこの留学体験記を読んでワクワクしていた自分を思い出しました。留学体験記を書くことが1つの目標だったので今それが叶えられてとても嬉しいです。張り切って紹介していきます。
まずは授業についてです。授業は留学生専用のもの(英語による授業)が準備されていて正規学生用のチェコ語による授業とは別々になっています。留学生は1セメスターに25人ほどで、世界中から集まって来ます。特に多いのはやはり、ヨーロッパ諸国からの留学生ですね。さまざまな国の友達ができるので、毎日とっても楽しいし、多くの刺激を得られます!授業の内容は、上の写真のようになっていて、セメスターの最初に興味のある授業の履修登録をします。製本、粘土モデリングの授業の他に、プラハの街を探検して建築や美術館を巡る授業もあります。また、ここには載っていない、短期の特別授業もあります。私はリソプリントと石版画の2つの特別授業をとりました。
履修登録は人それぞれ自由で、スタジオワークに集中したいため他の授業はほとんど取っていないという人もいます。これは“自分が留学によって何を達成したいか”によります。私の場合は、毎日とにかく手を動かして作業して、さまざまな技法を学び、金属以外の素材にも触れて自分の表現の幅を広げてゆくという目標を設定していたので、理論系の座学の授業はほぼ履修せず、ガラスや石版画のスタジオに時間ができれば通うようにしていて、授業以外の個人ワークの時間を大切にしています。
また、何度も出てきた“スタジオ”という言葉ですが、これは日本でいう、ゼミみたいなものです。スタジオは、週に2回、毎週月曜と木曜に開かれます。セメスターの最初にスタジオの全員に共通の課題が課せられ、私たちは学期末展覧会(クラウズラ)に向けて制作します。
私のスタジオには25人以上の学生がいます。このセメスターのK .O.Vスタジオ所属の留学生は私一人で、私以外は全員正規学生です。ミーティングは基本的に英語ですが、時々彼ら同士の意思疎通が難しくなった時にはチェコ語になります。そんな時は近くにいる友達が重要な部分を英語に翻訳してくれたりするので問題なくミーティングに参加できています!
今期の課題は「見落とされている建築の詳細」です。とっても抽象的!
このようなシステムは私には新しい経験だったので、最初は少し戸惑っていました。日本のゼミでは、基本的に自分が表現したいものを自分で決めて制作していくスタイルだったので、この課題において何が正解なのだろう?自分は何を表現したいのだろう?とずっと悩んでいました。もがき、たくさん探索して、プレゼンして、フィードバックをもらう、を繰り返して制作していきます。
“How exactly?” 私にはこれを達成することがこのセメスターでの課題だなと感じました。与えられた課題に対してのアイデアはたくさん持っているけれど、それをどう具体的に形にして、何を私自身は表現したいのか、を考えるということです。
先生からのフィードバックでたくさん言われた言葉です。
素材選び、実現可能な制作方法の模索もそうですが、与えられた抽象的な課題に対して、自分がどう解釈して、表現モチベーションを引き出すか、がとても難しかったです。
今は制作モチベーションをなんとか自分の中から引き出すことができて、制作している途中です。どんなものができるのか、楽しみです。日本にいた時、たくさん制作していて良かったと最近心から思っています。金属をどう扱えばよいのかをある程度知っているからこそスムーズに制作ができています。芸文の金工の先生に感謝です。
最後にプラハでの生活の様子を共有します!
ここにきてもう3ヶ月が経とうとしています。今ではもう間違いなく第二の故郷になりました。「本当にここにきて良かったな」と毎日感じています。初めは魔女の宅急便のキキみたいな気持ちで、初めての大きな街に圧倒されてみんなが冷たく見えて不安でいっぱいだったけれど、少しずつ自分の居場所を見つけていって、たくさんの優しさに気づけるようになりました。
残りの6ヶ月もさらに成長できるように頑張ります!
高校生の時の私みたいに留学に強い夢を持っている人がいたら、自信を持って背中を押したいです。
英語力、一人での海外、複雑なビザ手続き、お金のこと、卒業年の懸念、就活の懸念、挙げればいくらでも留学前に抱える不安はあると思います。ですがそれを全て消してしまうくらい、ここに来た後にはたくさんの刺激と学びと楽しさがあります。私は今それを、身をもって実感しています。一度は留学を諦めていた身なので尚更来て良かったなと感じていますよ!
祝日の日には教会に行ったり、国立博物館に行ったりしています。
Depends on you.どんな未来を切り開いていくのかは自分次第です。私も毎日、ここで起こることは全て私次第、と思って生活しています。
わあ。気がついたらたくさん書いてしまっていた。本当はもっと書きたいことがたくさんあります。
私の思いの一端を綴ったこの文章が、誰かにとっての留学モチベーションになるといいな。それでは!Na shledanou!
[文・写真]
渡辺 咲耶 わたなべ・さや 富山大学芸術文化学部芸術文化学科 美術・工芸コース 4年 在学中。2024年9月から、部局間交流協定校のプラハ美術工芸大学(チェコ共和国)に留学中。
[関連サイト]
【芸文について】国際交流・留学ページ
【キャンパスライフブログ】留学生の今日