2024.03.19
【ニュース】GEIBUN15卒業・修了研究制作展 Prize決定
[概要]
GEIBUN Prizeは、富山大学芸術文化学部・大学院芸術文化学領域 卒業・修了研究制作展「GEIBUN15」の展示作品・論文の中から、もっとも芸文らしい卒業・修了研究制作に対して贈られる賞です。
【富山大学芸術文化学部】
「尽きない心」浦野 聖菜(美術・工芸コース)
<担当教員コメント>
F150号(227.3×181.8㎝)の大きな画面に、油絵具の透明性を生かした深みのある色味と、不透明性を生かした明るい色味とを併用することで独特の絵肌を表現しています。15歳という多感な時期にある妹が、狭くとも心落ち着く自分の世界で無邪気に戯れている様を飛び跳ねる兎で表現しています。雑貨やお菓子など、思春期の少女の好きな、脈絡のない物をちりばめながらも一つの画面にまとめ上げた手腕は見事です。今後もより一層の活躍が期待されます。(松村 浩之 准教授)
【大学院芸術文化学領域】
「戸建て住宅における駐車空間の使いこなしに関する研究-高岡市吉久の使いこなしの実態と空間・居住者特性との関係に着目して-」北島 陽貴(人文社会芸術総合研究科)
<担当教員コメント>
本研究は、これまで建築学において景観的視点から批判的に捉えられていた住宅地の駐車空間を、人々の暮らしの創意工夫として表出する「使いこなし」の観点から再評価するものであり、その極めてユニークな視点は高く評価できる。精力的な調査と科学的方法を用いて、駐車空間と居住者の特性から「使いこなし」のメカニズムを解明した点は、工業化住宅の普及により住宅地が均質化する現代において、豊かな生活景を醸成する住宅地計画を検討する上で大変意義深い成果である。(籔谷 祐介 講師)
「おてんばみぃちゃんとまいごのしずくくん-絵本における、受け手とココロをつなぐコミュニケーションのための絵本表現の研究読み聞かせに着目して-」和久田 美紅(人文社会芸術総合研究科))
<担当教員コメント>
絵本は、古から世界中でつづくものであり、子ども向けから大人向けまで、現代のデジタル社会でも愛されつづけています。その理由を考えると、絵本でしか得られない体験価値があるからではないでしょうか。特に子ども向け絵本では、身体を通した「読み聞かせ」という親子(子どもと大人)のコミュニケーション体験があげられます。本取り組みでは、そこにフォーカスを当てた表現や仕掛けがふんだんに企まれています。なぜなら、大人は常識という固定概念にさいなまれ気づかない点でも、子どもは「あ、ここに○○がある?」「これ、なぁーに?」「ねぇ、どうして?」と見るものすべてに興味を抱き、発見と想像を繰り返します。つまり、受け手に想像してもらうために表現しすぎないこと、受け手の想像世界を積極的に創造することが絵本づくりにとって重要です。本作品では、その気づきと想像が、親子のコミュニケーションを生み出し、ふるさとの価値を子どもも、大人も発見する冒険の旅となっています。いっしょに、絵本の中を冒険してみませんか?(岡本 知久 講師)
[関連リンク]
GEIBUN15特設サイト