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2023.06.26

【受験生へのメッセージ】「彫刻の中にある思考や知」平田 昌輝

バラエティー溢れる芸術文化学部の教員が、受験生のみなさんに伝えたいこととは…。担当する授業の特色と研究の魅力、そして地域連携活動等をとおして見えてくる受験生へのメッセージ。

展覧会「彫刻の石」展示風景

[教員]
平田 昌輝 ひらた・まさき 講師

[専門分野]
彫刻、塑造

[研究テーマ]
彫刻制作、石を中心とした彫刻素材の研究

[教育の特色]
彫刻立体分野では学部教育での大きな目標として、各自が作品で実現したい/実現すべきことを明確にする、また現代アートにおけるコンテクストの重要性を理解し、自身の制作に取り入れることを掲げています。これはとてもシンプルなようですが、容易なことではありません。各自が試行錯誤を重ね、真摯な学修・研究の実践を通してそれぞれが到達していくものと考えます。
彫刻とは、「私たちがいるこの空間に作品を成立させる芸術」とか「存在に関わる芸術」ということができます。過去から現在まで様々な彫刻が生み出されてきましたが、それらの形式を真似するだけでは彫刻にはなり得ません。私の授業では、そうしたことを知るために本を読むなどの機会を大切にしています。そうした思考や知が、制作などの実践を通して個々の血肉となって制作表現に展開されていくことを目指しています。

[研究の特色]
美術は、実践そのものが思考であり、その実践を通してしか到達しない知があります。同様に、美術表現としてしか現出しない事物の在り方があります。
その上で、人間の理性や認識を超える存在として自然や、その中でも特に石に関心を寄せています。富山大学に着任直後、都市デザイン学部の大藤茂教授(当時は理学部)に協力いただいて日本各地の石の調査を行いました(JSPS科研費26370161)。近現代の彫刻に使われる石は大理石を中心に多様なものがありますが、それら以外の多様な石があることを確認し、実際の加工を通して彫刻素材としての可能性の検証も行いました。

現在は、内部組成が不均質で、ひびや割れが多い日本の変成岩を使って彫刻をつくることが多くなっており、クセの強い石を加工するための技法についても研究を進めています(JSPS科研費22K00245)。

〈Artifact19-2〉中央構造線に接する三波川変成岩類の変成岩を用いた彫刻

[地域連携の特色]
主に社会人の方を対象として、塑造制作の公開講座を行っています。仕事が忙しい中、時間を割いて制作に集中される受講生のみなさんのすがたを通して、美術の力を再確認しています。
地域交流(公開講座)

[受験生へのメッセージ]
芸術文化学部では様々な領域を横断的に学び、幅広い視野を持つことができます。専門性をどれだけ追究できるかは学生個々の自主性によるところが大きいですが、在学中や、卒業後に活躍の場を広げる学生もいます。
作家志望ではなくても、美術を通して学ぶ思考法や感性は、様々な分野でも生かされています。いずれにしても、美術の学修においては、主体的な実践を通してしか学びを深めることはできません。自ら考え、主体的に行動できる人と一緒に、美術の世界を旅することができればと思います。
卒業生の活躍

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