2026.02.26
【学生の日々】「GEIBUN 17」卒業・修了研究制作紹介 No.5
卒業・修了研究制作展「GEIBUN 17」に向けて、研究・制作を進めている学生にインタビューを行いました。それぞれの学生の取り組みをご覧ください。
《GEIBUN 17 卒業・修了研究制作紹介No.5》
デザイン領域 本木 梓

Q1、どんなテーマで研究に取り組んでいますか?
適応障害をテーマに、自分自身と向き合うきっかけづくりとなる絵本を制作しています。自身のこれまでの経験から、適応障害に悩む人の心に寄り添えるコミュニケーションデザインができないか、と考えました。
Q2、テーマを選んだ理由は何ですか?
大学生活を通じ、私自身が適応障害を経験したことがきっかけです。
当時は、苦しい思いを数えきれないほどしました。ですが、たくさんの悩みを抱えながらも、その過程で様々な気づきを得ることができ、結果的にポジティブな方向へと進むことができたという実体験があります。こうした経験を踏まえた上で、大学で培ったデザインのチカラを通して、「私と同じように悩む誰かに向けて、心の支えになれる絵本を届けたい」という思いが生まれました。

Q3、制作意図やポイントについて教えてください
この作品最大のポイントは、私の実体験を元に作られているという点です。
実際に適応障害を経験した私だからこそできる、「共感性あるストーリー」と「読者目線での語りかけ」があると思います。そんなリアルが詰め込まれたこの作品を通じて、私と同じように悩む人は、少しでも心が軽くなったり、適応障害をあまりよく知らない人は、これをきっかけに認知を広げてもらえるのではないかと考えています。
また絵本という媒体を選択していますが、これは私が元々、絵本に馴染みがあり、「読む」ことで心が落ち着いたり、キャラクターの感情が豊かに描写されていることで自分事化できたという経験に基づきます。そのため、この作品を読む人には、ストーリーを楽しみつつも、ぜひ絵本を通して自分の気持ちの変化を繊細に感じ取りながら、ゆっくりじっくり読んでいただきたいです。

Q4、どのように制作を進めていますか?制作の中で大変なことは何ですか?
制作は大きくストーリーとイラストに分けて進めています。
まずは、ストーリー構成を何度も見直しながら、内容をより効果的に伝えるためにはどんなイラストが必要かを考えて、試行錯誤を繰り返します。次に、場面の理想形が見えてきたらClip Studio、Illustrator、InDesignなどを使いながら、製本に向けてデータに起こしていきます。
実体験をどう形に落とし込めば第三者にも伝わるのか、客観的な視点を持って制作するために、指導教員の先生や周りの学生から意見をいただきながらクォリティアップさせています。独りよがりにならず、受け手の立場になって考えながら自分の思いをカタチにする工程が、デザインの最も難しく面白い所だと感じています。

Q5、作品を見た人にどんなところを特に見てもらい感じてもらいたいですか?
私の作品を通じて、適応障害に悩む人も、そうでない人も、自分自身を見つめるきっかけとなってくれたら嬉しいです。
適応障害は精神病の一種ですが、私にっとては自分と向き合い、自らを抱きしめてあげるための大切な時間だったと捉えています。「病気」と診断されたからといって一概にマイナスに捉えるのではなく、前向きに捉えて自分で自分の気持ちを軽くする。そういった考えで、誰かの心を支えられることが出来ればと思います。
最後に、絵本は年齢が上がるにつれて読む機会が減るものです。ですが、日々忙しく過ぎる中に、ほっと一息つく自分だけの時間を生み出してくれる存在でもあります。束の間の休息に、ぜひ、絵本で自分を抱きしめる時間をとってみてください。

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