2025.05.27
【留学生の今日】留学リポートvol.25!プラハから望月 華がお届けします!
Ahoj!! こんにちは!
現在、プラハ美術工芸大学(UMPRUMと略します!)に留学中の望月華です。
建築に関するスタジオが4つある中で、私はArchitecture Ⅳに所属しています。
私は、中学3年生の頃からずっと海外留学に憧れ、それを目標に日々の英語学習に取り組んでいました。高校生の頃、いろいろな留学プログラムに応募しました。ところが、そこで立ちはだかったのがコロナの蔓延。高校生の頃に海外留学の夢を叶えることができませんでした。
大学入学後も、英語教育に関するインターンを続けながら、なかなか海外留学を諦めきれずにいました。これまで考えていた語学の留学とは異なり、芸文の協定校間での留学は、自分の学びたい分野を異国の地で学ぶことになるため、よりハード。そして、申し込む時に必要となるポートフォリオ、これがまた大変!これまでの設計課題や作品を載せる必要があるのです。そのため、まだ作品数の少ない2年次での留学は、厳しいと考え、3年次の留学を決めました!
(前置きが長くなりましたが、ここまでは留学前のお話…)
無事、受け入れてもらえることが決定し、留学のための手続き(チェコへの留学はこれがとっても大変!)を終えて今年の2月から春セメスターが始まりました!
今セメスターの留学生は、各国からおよそ30人が集まりました!チェコ周辺の、ヨーロッパ各国からの留学生の割合が多いですが、私たちのようなアジア各国からの留学生も複数名います。私は、留学生が多く住む寮に滞在しているので、ルームメイトをはじめ沢山の留学生と生活を共にしました!
私たち留学生は、主に通常のクラスと各スタジオでの制作活動を行います。クラスでは、自分の専攻に関係なく興味のあるものを選択することができます。これらはすべて、留学生に向けた英語での授業なので、多くの留学生とはこのクラスを通して仲良くなることができました!
私は、もともと興味のある建築やアートに関するクラスの他に、製本技術を学ぶクラス、そして版画のワークショップにも参加しました。
ワークショップでは、毎週同じ時間にあるクラスとは異なり、自分の好きな時間に作業することができるので、自分のペースで進められます!これまであまり経験したことのない、実際に手を動かし何かを作り出すことの楽しさに気付かされる、とても新鮮で貴重な体験になりました。
さて、ここからは、私たち留学生が現地学生と共に所属する『スタジオ』についてです!
スタジオは、芸文でのゼミと同じような感覚です。芸術系の大学であるUMPRUMの特徴として、学期末展示会(Klauzura)に向けて、スタジオに所属する全ての生徒が与えられたテーマに沿って約4ヶ月で制作活動を行います。
スタジオによっても異なりますが、基本的には月曜日と木曜日の週2回、スタジオの日が設けられています。冒頭で、建築にも4つ異なるスタジオがあると書きましたが、主に構造・都市デザイン・インスタレーション・設計のように分かれています。私の所属するArchitecture Ⅳは、留学生は私1人であとは現地学生の30人という大所帯。他のスタジオが英語対応なのに対し、基本的にレクチャーもディスカッションもチェコ語で行われます。私はチェコ語に関して、ほぼ触れずに留学に来たため、スタジオ内の現地学生が、都度英語に訳してくれています。そうは言っても、会話のペースが早くついていけない事は多々あります…そんな時は、教授とは別のアシスタントにヘルプを求めています。
私のスタジオの、学期末展示会(Klauzura)に向けたテーマは”Theater 劇場建築”の設計です。毎週木曜日の9時から夕方、全員が集まりプレゼンテーションやディスカッション、教授とのエスキースを行っています。週によって、月曜日にゲストによるレクチャーやシアター見学の日が設けられる、といった感じです!
設計を始めたばかりの時、言語も学びのプロセスも異なる現地学生と自分自身を比較し、完全に自信を喪失していました。事前に言いたいことを原稿にまとめても、教授やアシスタントに、自分の求めるコンセプトがうまく伝えられず半泣きでエスキースに臨んでいました。このままではダメだ!と思い、用意されてない自分の英語で考えをぶつけた時に教授から言われた言葉は、”Create what only you can.”。必要以上に他者と比較しすぎることはせず、あなたならではのシアターを設計したらいい、と。
ここに来て、私は彼らの技術や思考を吸収してばかりだと思っていましたが、日本から留学に来た私だからこそできる表現方法や発想があることに気づかされました。現地学生に、”その方法真似してみたくなった”と言われた時、私も彼らに何かしら影響を与えられている!と感じ、それが制作において支えになりました。
週末には、バスや電車に乗ってドイツやポーランド、オーストリアなどなど周辺国に足を運べることも、ヨーロッパの中心に位置するチェコ留学のお得なポイント。立地に感謝です。
プラハに来て4ヶ月。この留学体験記を書いている頃、私たちは最終展示会に向けた準備の真っ只中です!!最初は、時間の流れがとても遅く感じていましたが、本当に怒涛で刺激の多い毎日が続き、気づけば残り僅か。あっという間です。
留学前に想定していたよりも、しんどいと感じることは沢山ありましたが、こうして振り返ってみると、やっぱり留学は楽しい!!ここに来なくては得られなかった経験、感情、そして一期一会の仲間たち。
もし、留学にチャレンジするか迷っている人がいるのなら、私は自信を持って背中を押したいです。今、目の前に海外留学という自分が成長できるチャンスがあるのだから、これは掴みに行くしかありません!!留学前に抱えていた不安も迷いも、いざ来てみるとどうにかなることを知った私からのメッセージ、少しでも前向きな気持ちにできたなら嬉しいです。
気づけばとても長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました! Čau!
[文・写真]
望月 華 もちづき・はな 富山大学芸術文化学部芸術文化学科 4年 在学中。
2025年2月から、部局間交流協定校のプラハ美術工芸大学(チェコ共和国)に留学中。
[関連サイト]
【芸文について】国際交流・留学ページ
【キャンパスライフブログ】留学生の今日