2024.06.11
【名物授業】授業科目「導入Ⅱ-F」
[概要]
導入Ⅱ-Fは、主に芸術文化学部の1年生を対象にしたキュレーション領域の導入科目です。授業では、伝統産業を対象に、地域の実情や課題を調べるとともに、振興策を考えます。
伝統産業はどの地域にも存在します。それらは地域の材料を使用し、地域独自の技法を用い、地域の人たちが製造します。しかし機械化や工業化の進展によって、伝統産業は衰退傾向にあります。では地域の伝統産業は、本当に失ってもよいものなのでしょうか。こうした問いを出発点に講義を進めていきます。
授業は、主に4つの内容で構成されます。1つは座学で、講義によって伝統産業の理解を深めます。2つめは、ワークを通じて、自分の出身地の伝統産業や地域特性を調べます。具体的に、ホームページや自治体の総合計画などを読み込み、地域の現状を理解します。さらに地域経済分析システム(RESAS)を用いて、定量的な分析も行います。3つ目はゲスト講師の講義です。伝統産業の製作者ではなく「つなぎ手」の観点から伝統産業の理解を深めます。最後にプレゼンテーションです。課題解決に向けた振興策を発表し、受講者が相互に評価します。
伝統産業は後継者不足、材料の枯渇、手仕事による非効率性など、問題が複雑に絡んでいます。伝統産業の価値や再生方法を考えることは、地域のキュレーションの第1歩となります。地域で活躍できる人材を一人でも多く輩出するよう、授業を実施しています。
[授業科目名]
導入Ⅱ-F
[担当教員]
安嶋 是晴(富山大学芸術文化学系 准教授)
[受講生]
芸術文化学部1〜4年生対象
[関連リンク]
【受験生へのメッセージ】「地域の課題を発見し解決できる創造的人材に」安嶋 是晴