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2017.01.25

【受験生へのメッセージ】「地域の課題を発見し解決できる創造的人材に」安嶋 是晴

バラエティー溢れる芸術文化学部の教員が、受験生のみなさんに伝えたいこととは…。担当する授業の特色と研究の魅力、そして地域連携活動等をとおして見えてくる受験生へのメッセージ。

[教員]
安嶋 是晴 やすじま・ゆきはる 准教授

[担当コース]
芸術文化キュレーションコース

[専門分野]
文化政策論、伝統産業論、地域経営論

[研究テーマ]
「過疎地域など条件不利地域における地域資源を活かした再生モデル構築に関する研究」

「教育の特色」
文化政策を担当しています。文化政策の領域は大変広く、10人の文化政策の研究者がいれば10通りの文化政策論があるといわれています。そうした中で「文化政策概論」「文化政策各論」の講義では、文化政策の全体像を把握するとともに、地域文化や伝統産業の振興策、地域づくりの政策など取り上げます。また講義が受け身にならないように、講義中に出身地の調査を行い、地域資源の掘り起こしや地域課題の認識を図りつつ、課題解決にむけた事業企画を作成しています。事業企画は最終的に全員がプレゼンテーションを行うことで全体でシェアをします。

「研究の特色」
北陸には多くの伝統産業があります。しかし多くの伝統産業が衰退傾向にあり、その影響は経済のみならず地域社会にも及びます。さらに伝統産地は過疎など条件不利地域に多いため、その結果、負のスパイラルが進行することになります。このスパイラルを逆回転させ、地域が元気を取り戻すにはどうすればよいのか、これが私の問題意識です。そこで伝統産地再生と地域再生を絡ませながら、新たな再生の理論を構築する研究をしています。現在は北陸の漆器産地を対象に研究を進めており、その研究成果を地域に還元することを目標としています。

「地域連携の特色」
伝統産業に関する研究との関わりで、輪島漆を再生するプロジェクトを実施しています。現在漆は約98%が中国産で国産はわずか2%に過ぎません。その2%もほとんどが岩手県二戸市浄法寺で生産されているだけです。北陸はかつて全国有数の漆の産地でしたが、安価な中国産が席巻し、漆の生産に携わる人はほとんどいなくなりました。しかし現在、国産漆は耐久性などの「機能面」に加え、地域文化との関わりの「文化面」、里山保全としての「環境面」など多様な側面から再評価されるようになりました。現在、輪島漆を再生すべく、うるし塾や漆掻き見学会の実施、植栽事業など実施しています。

来年度の卒業研究・制作へ向けて、積極的に地域に出かけています。富山市内のNPO団体にご協力いただき、富山のまちづくり団体の活動現場の見学やヒアリングを実施しました。写真、イラストは来年度指導予定の3年生とNPOのメンバーです。
文化政策の講義では、グループディスカッションを取り入れ、毎回課題のシェアを行っています。
社会貢献の取り組みとして、輪島漆の再生の取り組みを行っています。写真は漆掻き見学会の様子です。

「受験生へのメッセージ」
「書を捨てよ町へ出よう」といったのは劇作家の寺山修司です。書から学ぶ知識は大切ですが、体験によってその知識が深化します。また体験でしか学べない知識もあります。文化政策を学ぶ学生には、積極的に学校を飛び出して活動してほしいと思います。思った通りにいかず、失敗するときもあるでしょう。しかし失敗は恥ずべきことではありません。失敗の体験は成功の体験以上に学ぶことが多いのです。挑戦を後押しし、失敗を許容し、サポートする風土を持った富山大学芸術文化学部で、実りの多い学生生活を過ごしてみませんか。

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