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2022.12.01

【学生の日々】「GEIBUN14」卒業・修了研究制作紹介 No.3

卒業・修了研究制作展「GEIBUN14」に向けて、研究・制作を進めている学生にインタビューを行いました。それぞれの学生の取り組みをご覧ください。

《GEIBUN14 卒業・修了研究制作紹介No.3》
地域キュレーションコース 田中 楓

Q1、卒業研究・制作のテーマを教えてください
日本刀の地鉄の色調と地域性、時代性に関する研究です。

Q2、このテーマを選んだきっかけを教えてください
卒業制作において自分の好きなことをしたいと考えていて、自分の場合はそれが日本刀でした。
刀剣を視覚的に表現する際に刀剣識者は日本刀の地鉄の色の違いについて話すことが多いんですけど、初心者には地鉄の色の違いは判断しにくく、言葉で客観的に説明できないため、色彩評価を数値的に表すことができれば初心者の方にも間口を広くすることができ、親しみの持ちやすい認知につながると考え、卒業制作のテーマにしました。

Q3、研究・制作の過程で大変だったことはありますか?
自分の好きなことの研究をしているので特には思いつかないです。
ただ、人から借りている日本刀なので傷つけないように丁寧に扱う意識をしたり、この計測機は本来くっつけて使用するんですけど、刀なのでくっつけずに、かといって浮かせることで計測とは関係ない余計な光が入り込まないよう計測するにはどうすれば良いかを考えることには苦労しました。

Q4、どのように地鉄の色の違いを研究しているんですか?
分光測色計によって地鉄の色を数値的に表しています。
コニカミノルタ社製CM-700で日本刀の色の計測を行なっていて、日本刀の上中下それぞれにつき周辺を5ヶ所ずつ計測しています。
一本の刀を合計15ヶ所測っていくのですが、数値にばらつきが出ると、計測図上でもまばらに見えていたりします。逆にほとんど数値にばらつきがない場合は一歩の線のように均一に見えたりして面白いです。
刀の表面は木の木目みたいになっていて、その上にプツプツとしたものがあるんですけど、それが多いものは計測器で測ってみた時に幅が広くなっていたり、模様のようなところは数値が少し低めに出たりすることがあります。

Q5、今後どのように研究を進めていく予定ですか?
「計測する本数を増やす」ということもあるけれど「なたと比較」してみようと考えています。
木を切ったりする「なた」をピカピカに磨いて日本刀と比べるとどうなるんだろう。日本刀は、日本刀の中で違いはあれど鉄と炭素で基本的にはできているので、他の作り方の違うものと比べた時に色に差が出るのか?地鉄の表面の状態によって分光反射率に差があるのか、この推測が正しいのかどうかなど計測していく中で自分なりに結論づけができればと思っています。

Q6、卒業制作展を見に来てくれる人たちに注目してほしいところはありますか?
分光反射率の違いや、複数の日本刀を比べてみて大きな違いがあったところは見ていてとても楽しいので、卒業制作展を見に来てくれる人にもその違いや面白さを感じてほしいです。

皆様のご来場お待ちしています。
また、Facebook、Twitter、Instagramによる情報発信も随時行っていきます。

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《執筆者からの一言》
自分自身卒業制作を行い、ゼミでの意見交換などを行う機会もありますが、デザイン専攻なのでデザインの作品しか普段見る機会や意見を交流する機会がなかったなとインタビューをさせていただく中で気づきました。制作の思いや、経緯を知るとともに、卒業制作展でただ作品を見る以上の思い入れや苦労、工夫を知れたことがとても貴重な機会だと感じました。インタビューさせていただいた内容を知った上で、実際に卒業制作展示で並んだ作品を見ることができることが今からとても楽しみです。関わってくださった方、このインタビューを読んでくださっている全ての方に感謝を申し上げます。

[取材・写真・文・編集]
卒展キュレーター委員会(2022年12月1日)
執筆者:デザインコース 椚座 美咲

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