2017.09.05
【卒業生の活躍】森田 志宝 さん(造形芸術コース4期生、大学院芸術文化学研究科4期生)
個性豊かで地域に貢献できる芸文生は、各地に活躍できる場を見出し、社会でその能力を発揮しています。
芸文OB・OGの皆さんの卒業後の様子を、受験生・在学生へのメッセージと共にご紹介します。
[卒業生]
森田 志宝 さん
[専門領域]
造形芸術コース4期生(平成24年度卒業)
芸術文化学部研究生(平成25年4月〜平成26年3月)
大学院芸術文化学研究科4期生(平成27年度修了)
[勤務先]
守田漆器株式会社
[職種]
山中漆器の製造、上塗り職人
「現在の仕事について」
漆器の産地である石川県の山中で、山中漆器の上塗り職人として製造に携わっています。業務内容は、お椀を中心とした商品の漆の下塗りから研ぎ〜上塗りを行っています。
一人前の職人になるには、1日に少なくとも100個以上のお椀を手速く美しく上塗りする技術が求められます。黙々と根気のいる仕事ですが、綺麗に仕上がった時には達成感とやりがいを感じられます。地元の職人さんに教わりながら、日々技術を磨いています。
「芸術文化学部の学習や課外活動が今どう活きているか」
私はまず作家活動を主に、自分の研究テーマの漆と糸を使った作品制作に没頭していました。その一方で、授業では特に漆工芸の実技課題が力になったと感じます。学部の頃は受け身になりがちで、正直課題の意図が分からないまま取り組んだ時もありました。しかし院生になり、漆の学部授業のアシスタントを務め、改めて漆の工程に向き合った事が職人の仕事への興味に繋がりました。またプライベートでは作家活動も継続しており、作品制作と技術のバランス感覚が身についたと思います。
「受験生・在学生へのメッセージ」
仕事も作家活動も、自分がどう社会と関わっていくかだと思っています。大学は自分の軸を発見し育てる時間になると思うので、軸や芯となるものに対しては深く、それに関連して様々な物事に興味を幅広く。私の場合は主軸となるものが漆でした。専攻した分野に関わり続けることが全てではないと思うのですが、少し視点を変えることで生き方の選択肢は確実に増えます。一人一人が自分の納得のいく選択をしてもらえたらいいなと思います。