2018.12.20
【学生の日々】「GEIBUN 10」卒業研究・制作紹介! 造形芸術コース 山田 千晶
「GEIBUN 10」卒業研究・制作紹介!
芸術文化学部 造形芸術コース 山田千晶
卒展「GEIBUN 10」に向けて、研究・制作を進めている学生に、学生の視点でインタビューいたしました。それぞれの学生の取り組みをご覧ください。
《GEIBUN10 インタビュー NO.2》
二番目のインタビューは、造形芸術コース平田ゼミの山田千晶さんです。とっても迫力のある作品ですよ!
Q. 研究内容を教えてください。
A. 乾漆技法による動物彫刻の制作をしています。今回は、ほぼ実物大のキリンを制作中です。
Q. 使用している素材を教えてください。
A. 乾漆という漆の伝統的な技法を用いています。中が発泡スチロールで、キリンの形に彫刻したものに麻布を漆で貼り重ね、その上に漆の下地を重ねています。たてがみは、麻布の横糸を全部抜いたものを使用しています。
Q. そもそも、なぜキリンを制作しようと思ったのですか?
A. 高校生のときから生き物を制作していました。実家に帰った際に動物園に行ったら、キリンが座っていて、それがすごくいい形だなと思って。
野生のキリンはほとんど座らないので、動物園にいるキリンは、危険から守られているから座れる、休める状況があるということですよね。私は「生き物と自由」をテーマに制作しています。なので、檻の中にいるけど守られている自由があるところと、単純に形がすごく好きというところからキリンに決めました。
Q. ほぼ実物大といえるくらいの大きさにした理由を教えてください。
A. 今まで大きい作品を制作していたのですが、卒業制作ではもっと大きな作品をつくってみたいなと。限界のサイズをつくろうと、制作している今の部屋でつくれるギリギリのサイズに挑戦してみました(笑)
また、上を見上げるというのがすごく好きで、疲れた時とかに背中を丸めてしまう状態になったときは、ふと空を見上げたくなる。だから見上げられる作品をつくりたいなと思いました。
Q. 完成予想図はどのような感じでしょうか?
A. 今は下地を付けて、研いで、付けての繰り返しです。下地が終われば仕上げに入りますが、色味は本物のキリンより少し暖色寄りを予定しています。
仕上げは、漆の色錆(いろさび)という技法を使用します。漆をカラフルにできる技法で、これを用いてあたたかい色味を目指します。目だけ呂色(ろいろ)仕上げという技法で、つやつやにします。他はマットな感じですね。
Q. これは…どうやって持ち帰るのでしょうか。
A. この大きさはどうやっても家には入りませんね。
今、色々な所で大きいキリンをつくっていることを言っていて、置く場所とかありますかって聞いて回っています。現在寄贈場所を探し中なので、この記事を見た方、いいところがあれば教えてください(笑)
Q. 家に入らないくらい大きくてインパクトのある作品ですが、他にも見所を教えてください!
A. 彫刻と見る人の距離感を意識してつくっています。今回のキリンは、遠くから見るとサイズ感があるので緊張感、生き物の強さを感じさせます。でも近づくと、守ってくれる、包み込んでくれるというようなイメージです。
色んなところから見て、色んな感じ方をしてもらいたいですね。
インタビューありがとうございました!実際に見てみるとやはり大きさとリアルさに圧倒されます。是非本物を見にご来館ください。また、キリンの置き場所、候補があればコメントお願いします!
[取材・写真・文・編集]
卒展キュレーター委員会 (2018年11月27日)
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