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2019.08.05

【研究科生の研究紹介】「まちづくり事業における評価とその活用に関する研究」/笠原 大貴(大学院 芸術文化学研究科)

[氏名]
笠原 大貴(大学院 芸術文化学研究科)

[研究テーマ]
まちづくり事業における評価とその活用に関する研究

[研究概要]
学部時代に、自ら潜在的な地域資源を掘り起こし、新たな事業創出に取り組んだ。その後、卒業研究において様々なまちづくり事業の事例を調査していく中で、こうした事業に対して各種の評価が行われていることを知り、まちづくり事業の立ち上げに貢献できる評価の手法があるのではないかと考えた。評価とは、物事の値打ちや価値を定めることと定義され、学校評価や事業評価など様々な分野で盛んに行われている。その中でも、まちづくり事業に関わる評価として私は「プログラム評価」について調査研究を行なっている。プログラム評価は、総括的評価と形成的評価に大別が可能である。総括的評価は、説明責任を果たすために実績に対して総括的な判断を提供する事を目的とするものである。形成的評価は、プログラムの改善を果たすための援助やプログラムの形成に対する情報提供を目的とするものである。総括的評価がプログラムにある程度実績が出た後に行われ、最終的に評価者によって評価結果が報告されるのに対して、形成的評価はプログラムの計画段階から行われ、評価者と関係者間のコミュニケーションから定期的に情報提供がなされるといった特徴がある。

私は、卒業制作において、数多くのまちづくり事例を調査した。それらは魅力ある地域の創出や雇用・人口問題に対する活動の成功例として事例集にまとめられており、その根拠として総括的視点からのKPI・VFMなどの評価指標が記載されている。まちづくり事業において、その効果を判断する上でこれらの総括的評価は必要である。しかし、総括的評価はあるタイミングを切り取り事業の評価を行うものであり、そのタイミングで高い評価を得たが、その後衰退してしまう可能性を持つという問題点がある。そこで、形成的評価の適用を試みる必要があるのではないかと考える。形成的評価においては評価者と関係者とのコミュニケーションから定期的な情報提供がなされるという特徴により、継続的な改善活動に貢献できる評価である。さらに、まちづくり事業における現状として事業における地域との合意形成や住民参加の取り組みにおける問題が挙げられており、これらの問題は公共が事業を行う場合は前例から明らかだが、民間事業者が事業を行う場合にはより顕著に現れる問題だと考える。その解決の一手法として形成的評価が大きな効果を生むのではないだろうか。よって、魅力的な地域創出と新規事業者の進出に資するため、まちづくり事業の実践における評価の適用から評価手法について考察する。

[日々の研究について]
様々なまちづくりの事例を見て、自身で事業創出の実践に取り組んでいますが、まちづくり事業の難しさや事業のスタートアップ段階での苦労を痛感しました。この実践に基づいた研究が実際にまちづくり事業を行われている方々のお役に立てればと思います。今後、私は高岡市を中心に実際に地域の方々と関わりを持ちながら、新しい地域資源・仕事づくりなどをベースに学生が街中で活躍するような事業を実行し、地域の賑わい・仕事づくりに貢献したいと考えています。ご縁がございましたらよろしくお願いいたします。

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