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2019.06.27

【学生の日々】造形展2019 出品学生インタビュー/造形芸術コース 吉野 瑞穂(よしの みずほ)

ノミ跡を残しながら彫り進める様子

造形展2019
造形芸術コースの学生20名が企画・運営する「造形展2019」。
今回は木彫を出品している吉野瑞穂さん(造形芸術コース3年)に出品作品について尋ねます。

インタビュアー 前田 綾香(まえだ あやか 造形芸術コース3年)

前田:「造形展2019」のテーマは「エネルギー」ですが、吉野さんは今回のテーマについてどのように考えましたか?

吉野:私は今回のテーマを「しぶとく泥臭く前に向かって進むエネルギー」と考えました。以前私のデッサンは迷う跡が残るのがいいと言われたこともあって、それと絡めて、もがきながら前に進むエネルギーというイメージで考えました。

前田:デッサンでの経験をいかして今回のエネルギーについて考えられたのですね。吉野さんは今回木彫作品を制作されていますが、その素材を選んだ理由や魅力を教えてください。

吉野:木彫を授業でやらせてもらったときの、削って作り出す感覚が他の技法とは考え方が違って面白かったので、もっと木彫をやってみたいと思って選びました。木彫の魅力は身近さと、作家の手跡が見えることじゃないかなと思います。木という材料は家具や建築素材として小さい頃から目にしてるもので、美術品として使ってもなんだか距離が近い感じがしますし、近くで見るとノミの削り跡が残っていて、作家さん達がどんな制作をしていたんだろうと想像しやすいところも私にとって魅力的だなと思います。

制作中の吉野さん

前田:確かに木彫独特のノミで削った跡は、独特の温かさや優しさがありますね。今回吉野さんは木彫作品でネズミをモチーフにされていますがそれを選んだきっかけについて教えてください。

吉野:私が小さい頃ハムスターを育てていたのもあって、ネズミには思い入れがありました。モチーフにするにあたってネズミについて調べると、ネズミは穀物を食べて疫病を撒く害獣とも言われながら、大黒天様のお使いであるとも言われていることがわかりました。ネズミはきっと普通に生きてるだけなのに、こうも扱われ方が違うのは面白いなぁと調べていくうちにより興味を持ちました。また、ネズミのビジュアルも観察してみると、小さな手足と溢れそうな目と可愛らしいと言われる容姿をしているのに、鼻の主張が激しくて、ヘビのようににゅるりとした尻尾がふわふわの体から生えている見た目のギャップがとても面白く感じました。彼らにしてみれば一番生存率を上げるための進化であって、可愛らしさは関係ないはずですが、偶然そういう見た目に進化した生命の不思議さに惹かれます。

粘土による習作

前田:吉野さんのネズミに対する想いがとても伝わってきました。今回の制作で苦労した事などがあれば教えてください。

吉野: 彫る前の状態に戻れないから「ここ彫ってしまっていいのかな」と手を動かすときに迷ったことでしょうか。先に話した通りわたしは迷いながら作るタイプなので戻れない、やり直しがきかないのはプレッシャーになりました。 あと重い木槌を使って作業してるので、手や肩周りの痛みがひどいです。どうしようもないことですが…。
元々体力がないこともあって疲労で手が動かないこともよくありました。以前、先生に「制作には体力が必要だ」と言われた言葉の意味を、今思い知っています。

前田:確かに木彫の制作は木を削っていくので一つ一つの作業がとても重要になりますね。最後に造形展への意気込みを聞かせてください。

吉野:今までの学内だけの展示と違って、私たちを全く知らない人達も見にくる展示会、歴代の先輩方から受け継いだ展示会とあってプレッシャーがありますが、来てくれた人に何か残るものができればいいなと思います。

前田:ありがとうございます。

「造形展2019」Twitter、Instagramもぜひご覧ください。
造形展は造形芸術コース学生20名による展覧会です。油彩画、日本画、彫刻、メディアアートなどの作品を20点展覧いたします。

学生それぞれの作品制作状況や各担当(展示・印刷、デザイン・広報)の活動、会議の様子などをお知らせします。
是非ご覧ください。

Twitter/@zoukeiten2019
Instagram/2019zoukeiten

造形展2019
[会期]
2019年7月21日(日)〜7月28日(日)9:30 〜17:00
※入場無料 7月22日(月)休館 最終日は16:00まで

7月27日(土) 
トークイベント 13:00〜14:00
公開講評会 14:30〜16:30
ゲスト 中村 滝雄 氏(造形作家、富山大学名誉教授)

[場所]
高岡市美術館 市民ギャラリー
〒933-0056 富山県高岡市中川1丁目1番30号
TEL:0766-20-1177
URL:http://www.e-tam.info/
駐車場/地下駐車場2時間まで無料
    高岡文化の森 駐車場無料

[プレビュー展]
日時:2019年6月27日(木)〜7月3日(水)
場所:富山大学高岡キャンパスホワイエ・展示室

7月1日(月)
公開講評会 13:00〜16:00
ゲスト 尺戸 智佳子 氏(黒部市美術館 学芸員)

[関連リンク]
【展覧会】富山大学芸術文化学部 造形芸術コース学生 20名による展覧会「造形展 2019」

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