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2020.11.25

【受験生へのメッセージ】「境界領域を超えるハイブリッドな表現」佐藤 弘隆

[教員]
佐藤 弘隆 さとう・ひろたか 助教

[担当コース]
美術・工芸コース

[専門分野]
メディアアート
デジタルアート

[研究テーマ]
「自律性」をキーワードとしたメディアアート表現の研究

[教育の特色]
メディアアートは、コンピュータ技術や映像技術をはじめとするメディアテクノロジーを活用した芸術表現領域です。私はその基礎となる、プログラミングやフィジカル・コンピューティング、映像制作などの「技術系」の授業を主に担当しています。メディアアート系の授業では、「技術系」と「表現系」の授業を交互に開講しており、技術系で習得した内容を表現系で作品化し、アウトプットするという流れを繰り返していく中で、総合的な表現力を身につけていきます。誰もがコンピュータを扱える時代になり、新たな表現の手段となっています。アナログなものもデジタルなものもハイブリッドに扱っていくことが今後重要になると考えています。

[研究の特色]
機械技術の「自律化」をテーマにメディアアート表現の研究を行っています。これまで人間と機械はヒューマンインターフェースを介した対話(インタラクション)を通じて、制御するものー制御されるものの関係の中で扱われてきましたが、近年、人工知能技術(AI)や自動化技術(オートメーション)の発展に伴い、人間と切り離された機械の「自律化」が起こりつつあります。こうした対人間を離れた機械のスタンドアローンな在り方に着目し、生成的なアルゴリズムや自然環境と連動したシステムなどを用いて、自律的に稼働する装置や機械を作品として制作・発表しています。

授業風景(メディアアート基礎演習)

《Buddhist Altar》2019年 冷凍庫内で人工氷筍を自動生成する装置。
鑑賞者の扉の開閉に応じて、溶解と再生成が繰り返される。

[受験生へのメッセージ]
芸術は芸術単体で成り立つものではなく、多かれ少なかれ、他のあらゆる領域との関係の中で存在するものと考えています。特にメディアアートは芸術以外の領域、工学や情報学などの応用科学分野との境界領域で発展してきました。近年では医学や生物学などと結びつく動きがあります。メディアアートに限らず、芸術ではないものについての見識を深めることで、逆に芸術の新たな可能性を発見しうると考えています。総合大学の中の芸術系学部という特色は、多角的な視点で芸術を再発見し得る様々な教養を身につけられる環境かと思います。世界の誰もやっていないような表現を見つけて欲しいと考えています。

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