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2025.02.27

【学生の日々】「GEIBUN 16」卒業・修了研究制作紹介 No.12

卒業・修了研究制作展「GEIBUN16」に向けて、研究・制作を進めている学生にインタビューを行いました。それぞれの学生の取り組みをご覧ください。

《GEIBUN16 卒業・修了研究制作紹介No.12》
人文社会芸術総合研究科 織田 峻太郎

Q1、テーマについて教えてください
「響く笛の音」というタイトルで制作を行いました。獅子舞の獅子を、生きているもののように、動物としての表現を意識しています。従来語られてきた獣としての獅子の姿と、獅子舞に登場する獅子の姿を融合させながら、作品を制作しました。

Q2、このようなテーマに挑んだ意図はなんですか?
この作品を制作するにあたり、現代社会に対して感じたことが影響しています。現代は複雑な問題が多く、災害や病気といった個人では解決できないような問題もあります。過去を振り返ると、人々は神仏を崇めたり、不思議な力を持つ存在に問題の原因を見出したりすることで心の拠り所を作ってきました。そうした信仰の形が、現代にも必要なのではないかと考えました。そこで、神獣について研究し、それを形にすることで、日々を生きる上での希望を感じられるような作品を作りたいと思いました。

Q3、なぜモチーフとして獅子を選びましたか?
きっかけは2つあります。まず、小さい時から、ロールプレイングゲームにてくるモンスターが魅力的に感じていて、そうした存在を自分で創り出してみたいと思っていたことです。また、幼少期から獅子舞に参加していた経験です。私は小学生のころまで、獅子と共に武器を持って踊る「シシトリ」という役割を担当していました。夜に獅子舞をしている最中に、本物の獅子を見たような感覚に襲われたことがあり、その時に感じたワクワク感と恐怖感が強く印象に残っているためです。

Q4、表現する上で大切にしていることはありますか?
文献調査や自身の獅子舞の体験の記録を用いて研究を進める中で、信仰を集めるものの多くが、人に畏怖の感情や戦慄の感情を抱かせるような存在であることが分かりました。そうした感情を生み出すためには、日常で見られない要素を持つことが重要なのではないかと考えました。そのため、本作品では、獅子頭の顔や、金剛力士像などの人間の造形要素を取りながら造形しています。また、それに合わせ、体の形は人間の骨格をベースとしています。人間の形をしたものが獣の形をしているような、非日常的な造形を目指しました。
しかし、作品を見た人がどのような感情を抱くかは、その人がこれまでの人生で経験したことによって異なります。畏怖や戦慄を感じる人もいれば、かっこいいや可愛いと思う人もいるかもしれません。観る人それぞれの視点で作品を楽しんでもらえればと思っています。

Q5、作品を見た人に特に見てもらいたいことや伝えたいことはありますか?
全体と細部、さまざまな視点から見てもらうことで、作品の魅力をより感じてもらえると思っています。全体見る際には、作品全体の流れを感じながら、獅子としての有り様を見てもらえると嬉しいです。近くから見る際には、漆塗りならではの質感、金属箔による加飾の表現に着目してほしいです。特に、金属箔を施した毛の表現にはこだわったので、その細部や黒い漆塗り部分との対比に注目してもらえたらと思います。また、富山の獅子舞文化の魅力を再確認する機会になってもらえたら嬉しいです。地域住民の人にとっては当たり前として受け取っていますが、コロナ禍の期間獅子舞ができない状態になった時に、人々の心の拠り所として機能しているように感じました。この先も獅子舞文化を続けていくことができるように、獅子舞文化を思い直すきっかけとなってもらえると嬉しいです。

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