2018.01.23
【学生の日々】GEIBUN9卒業制作紹介!デザイン工芸コース 小塩 碧里
「睡蓮 (すいれん)」
今回紹介するのはデザイン工芸コース 小塩 碧里 さん。
テーマは「睡蓮 (すいれん)」です。
Q.今作っているもののイメージはどのようなものですか?
A.イメージは湖に咲いている睡蓮の集合体です。以前睡蓮の咲いている湖を見に行ったらとても綺麗で感動したことがテーマ決定のきっかけです。元々絵を描くのが好きで、漆で学んだ技法を用いて睡蓮の集合体を絵画的に表現してみたいと思い製作に取りかかりました。作品は五個からなるオブジェになる予定です。
Q.どのように作っているのですか?
A.まずは発泡スチロールで形を作り、漆を吸わせて表面を固めます。更に3〜4枚の布を貼り、カチカチにして強度を上げます。次に漆を塗り重ねてツヤっとした綺麗な面をつくり、その後に銀や金属粉をまく蒔絵の段階に進みます。その上から色で絵を描いていきます。これには、金属粉が動かないためにという意味があるんです。粉と粉の間に漆を入れて固め、再び漆を塗り重ねます。そして表面を研ぐと、下の層にあった色や金属粉が出てくるのです。今回、最後の塗りには透き漆を使用するのですが、固まると少し茶色になります。1度試作品を作ってみたのですが失敗してしまい、今回もどうなるのかは分からないです。試作品は研ぎ出すと色が全然出ず、銀粉しか出てきませんでした。原因として考えられる事は、色が薄かったことなので、今回は濃いめに塗っています。
Q.本制作における漆塗りの作業はどのように進めていますか?
A.現在、塗り込みを進めています。最終的に、しっかりと色が出るのか分からず怖いので、塗ってる状態が1番楽しいです。しかし漆は1度にできる工程が少ないので、毎日コツコツ育ててきたのが、最後の塗りで台無しになることもあるのでとても緊張します。
Q.こんなに漆でカラフルなものができるなんて思っていませんでした。
A.漆のイメージが赤や黒で、パキッと塗り分けたものが多い為、私は色漆を絵の具みたいに使ってみたくて。今回実験みたいな形でやってみました。
Q.特に注目して欲しいところはどこですか?
A.やっぱり蒔絵なので、近くで見て欲しいです。高さが25センチくらいの所に置く予定なので覗き込んで欲しいです。また、葉っぱの裏の葉脈も作る予定なので、裏にも注目して見てください。
Q.どのような展示にしたいですか?
A.自分の足元に広がっているイメージで、水面に浮かんでいる葉っぱを表現した展示にしたいです。
Q.最後に意気込みをお願いします。
A.塗り込みが失敗したか、成功したかどうかは当日見に来てください。
ありがとうございました。
[取材・写真・文・編集]
卒展キュレーター委員会 (2017年12月8日)