2018.01.23
【学生の日々】GEIBUN9卒業制作紹介!デザイン情報コース 河原 つかさ
「コミュニケーションを生むスタンプ 〜「高岡クラフト市場街」における「職人・町人スタンプラリー」の提案〜」
今回紹介するのはデザイン情報コース 河原 つかさ さん。
テーマは「コミュニケーションを生むスタンプ 〜「高岡クラフト市場街」における「職人・町人スタンプラリー」の提案〜 」です。
Q.この研究を始めたきっかけは何ですか。
A.もともと高岡クラフト市場街の中で、職人町人スタンプラリーを2年前から、行っているんですよ。2015年が1度目で3度目となる2017年では、これまでにやって来たスタンプラリーをもっと楽しんでもらえないかなというところからスタートしています。
Q.2015年は誰が企画されたのですか?
A.2015年も私が企画しています。2016年では人数を増やし、2017年ではイラストのタッチなどが変わっています。
Q.研究内容について詳しく教えてください。
A.研究の題目は、『コミュニケーションを生むスタンプ 〜「高岡クラフト市場街」における「職人・町人スタンプラリー」の提案〜』です。スタンプラリーを通して、お客さんと高岡の職人さんやお店を経営している方たちのコミュニケーションを生み出せないかという内容です。
パスポートについてですが、当初は各ページに空白が設けてあり、職人さんにたまたま会って、たまたまスタンプを押してもらえたらラッキーだね、というものでした。今回は一覧にすることで分かりやすくし、集める感覚を強めています。また、可愛らしく、親しみやすい感じにしています。
このスタンプラリーには、県外から来たお客さんなどが、初めて会う職人・町人に声をかけないといけないというハードルがあります。そのハードルは高く、スタンプラリーの参加者は身内や知り合いばかり。初めてのお客さんにとって、身内感の強い企画に参加するのは抵抗があります。参加してもらうために何ができるかな?と考えて、このサブのフリーペーパーを考案しました。スタンプを持つ職人さんや町人さんのプライベートな話題を読むことで、お客さんは職人さんや町人さんに親近感を持つことができます。それからスタンプを探してもらえれば事前情報があるから話しかけやすいかなと思いました。「初めて会うけど、初めてじゃない感覚」みたいな。
距離感を縮められたらと思って制作、配布しました。
Q.作ってみた感想、上手くいったところは?
A.通常、職人さんやお店の人は、お仕事について取材されることが多いと思います。この企画では、プライベートについて聞いたり、ちょっとカッコつけた写真やスカした感じの写真を撮ったことで、意外と取材を喜んでもらえました。職人さんたち自ら、こういった雰囲気の冊子をネタにして喜んでくれて、お客さんたちにも「スタンプ持ってるから押してあげようか」と積極的に話しかけていました。
今回の企画において最も重要な、スタンプを持っている側の人たちの参加意識が「仕方ない」ではなく、「自分の意思で協力する」になっていたんです。予想していなかったけど良かったです。
Q.お客さん側の反応はどうでしたか?
A.アンケートでは「職人さんのプライベートを見られて新鮮だった」、「フリーペーパーを見て、来年は職人さんともいろいろ話してみたいと思った」、「親近感が湧いた」など、もともと狙っていたところを感じ取ってもらえました。人数は少ないかもしれませんが、刺さる人には刺さったと思えて嬉しかったです。
Q.今後は?
A.企画の改善を行います。今回お客さんから回収したアンケートの意見を参考に、お客さんのモチベーションを上げるためのしくみを考えます。また、今回ご協力頂いた職人さんから、「スタンプを集める子ども達が、たくさん集まってきて嬉しかった」という声もありました。そこで、子ども達がスタンプラリーに参加することで、高岡の伝統産業や職人の世界に興味を持ってもらえるような仕掛けも新たに考えたいです。最終的には1つのスタンプラリー企画としてまとめ、提案という形で発表します。
ありがとうございました。
[取材・写真・文・編集]
卒展キュレーター委員会 (2017年10月24日)