2017.03.29
【卒業生の活躍】山口 早紀さん(文化マネジメントコース6期生)
個性豊かで地域に貢献できる芸文生は、各地に活躍できる場を見出し、社会でその能力を発揮しています。
芸文OB・OGの皆さんの卒業後の様子を、受験生・在学生へのメッセージと共にご紹介します。
[卒業生]
山口 早紀さん
[専門領域]
文化マネジメントコース6期生(平成26年度卒業)
(「文化マネジメントコース」は、平成27年度より「芸術文化キュレーションコース」にコース名称が変更になりました)
[勤務先]
日機装株式会社
[職種]
総務業務
「現在の仕事について」
私は日機装株式会社という、医療機器等の製造を行っている会社の総務部に所属しています。主な仕事内容としては、総務業務一般および、工場見学受入、案内などです。また、この総務部の仕事とともに、日機装がメセナ活動の一環として支援している「公益財団法人宗桂会」という加賀象嵌(※1)の保存、普及および後継者育成を行っている公益財団の仕事も担当しています。
具体的な仕事内容は、日機装が管理する「宗桂会館」という施設に来たお客様への会館の説明や、加賀象嵌のストラップづくりといったワークショップの開催などです。象嵌体験のワークショップでは、作家さんが専門的な技術についての指導をするのですが、私は主にワークショップの企画立案、お客様への加賀象嵌および宗桂会の説明、受付を行っています。このような会館での説明や、作家さんとワークショップの体験内容の打ち合わせを行ったりする中で、大学時代には知ることができなかった「加賀象嵌」についての知識も増えてきました。社会人になってからは、大学時代とは違った「学び」や「発見」の連続で、とても充実した毎日を送っています。
(※1)金属に模様を刻み、そこに金銀などの材料を嵌め込んで装飾を施す技法。加賀象嵌は江戸時代に武具や刀装具の装飾技術から発達した。
「卒業研究」
卒業研究で、私は「地域密着型商店街の共同性」というテーマで研究を行いました。実際に対象となる商店街に赴き、現地の方への聞き込み調査や、土地の観察などといったフィールドワークを何度も行いました。そういった実際に体を動かし、自分の興味のある事をとことん追求するスタイルは、大学ならではであったと思いますし、地域文化やまちづくりを学ぶことにおいて高岡キャンパスは、とても恵まれた環境にあったと思います。
「受験生・在学生へのメッセージ」
就職活動では、いろんな選択肢がありましたが、私は大学で文化政策等を学んでいるうちに、「社会貢献ができる会社に入りたい!」という思いが強くなっていました。就職後、会社の庶務と同時に、宗桂会の活動にも携わることができ、仕事にとてもやりがいを感じています。芸術文化学部において、工芸が自分の専攻領域ではなかったものの、コースの垣根を越えて様々な授業を受講できたことが、現在の仕事にも役立っていると強く感じます。文化マネジメントコースに在籍しながらも、ものづくりを専攻する友人や職人さんが近くにいたことは、自分にとって、とても刺激的な環境でした。このような環境の中で、芸術文化、文化政策を学べたことで、作り手側の苦労や制作への思いも、よりリアルに感じ取れるような気がします。学生時代に様々な作品や人に触れたことで、今の職場で「加賀象嵌」という今まで関わったことのなかった分野に出会ったときも、ワクワクした感情が生まれました。良い環境や、個性豊かな教授陣、仲間に恵まれて過ごした芸文での4年間が、今の私の支えになっています。
〈本記事は「TADJ vol.7」(2015年度発行)より抜粋しております。〉
芸術文化学部の5コース
造形芸術コース
デザイン工芸コース
デザイン情報コース
建築デザインコース
芸術文化キュレーションコース