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2019.01.09

【学生の日々】「GEIBUN 10」卒業研究・制作紹介! 造形芸術コース 山口 真奈

「GEIBUN 10」卒業研究・制作紹介!
芸術文化学部 造形芸術コース 山口真奈 
卒展「GEIBUN 10」に向けて、研究・制作を進めている学生に、学生の視点でインタビューいたしました。それぞれの学生の取り組みをご覧ください。

《 GEIBUN10 インタビュー NO.5》
今回のインタビューは、造形芸術コース髙島ゼミの山口真奈さんです。素敵な雰囲気の作品を描いていますよ。

Q.研究内容を教えてください。
A. 実家の近くの風景をモノトーンで描いています。 電線のように遠くまで続く「未来」、そこで毎日のように遊んだ思い出「過去」をテーマとしています。

Q.なぜそのテーマで描こうと思ったのですか?
A. 電線を見た時に、ずっと、いろんな家や自分の知らない未来につながっているようなイメージを感じたんです。それと同時に、その風景を見て子供の頃の自分を思い出したので、「未来」と「過去」をテーマにしようと思いました。

Q.モノトーンの絵ですが、材料は何を使用していますか?
A.薄めの高知麻紙(通常の和紙よりも丈夫な紙)と、油煙墨(ゆえんぼく)を使用しています。 油煙墨とは、油をいぶした時に出るススと膠とをよく練って固めたものです。木を燃やして出たすすから作る松煙墨よりもすすの粒子が細かいんです。ちなみに私の墨は、祖母が昔中国で買ってきてくれたものです。 

Q.墨を使い始めたきっかけは?
A.祖母が書道の先生なんです。私が小さい頃、祖母の家に遊びに行った時は、稽古部屋で墨と戯れていました。他の子が色鉛筆やクレヨンを触るのと同じような感覚でしたね。 強い黒も出せるし柔らかいグレーも出せる。特に、墨をすった時の匂いや色の濃さ、自由に遊べる感じがすごく好きなので、今も使い続けています。

Q.今回の舞台の思い出は?
A.舞台は公園から自宅に帰る途中にある坂道です。 子供の頃、公園から帰る時に、電柱とか空を見るのが好きでした。側溝を歩いて帰った日もあって、側溝を歩きながら電柱を見てたら、見とれちゃって、そのまま溝にハマって怪我したり…。痛い思いもしたけど、飽きずに今もずっと電柱を眺めるのが好きですね。なんで眺めるのが好きなのかな?って思うんですけど、分からないけど見たくなる、そんな不思議な魅力をがあるところにもまた惹かれました。

Q.作品をつくるうえで苦労していることはありますか?
A.たくさん墨を薄く重ねていかなければいけないから、そこに時間がかかります。あと冬だから乾きが遅い。とにかく時間との闘いです。 墨で描いた後、水を含んでいる墨が動くことがあるので、その変化が悪い方向にならないようにずっと見ていなければいけないのも大変です。気が抜けないですね。 なんだかもう赤ちゃんを相手しているような感覚です。ほんとに、作品は我が子って感じですね(笑)。 

Q.この作品で見てもらいたいところはどこですか? 
A. まず墨の居心地の良さ、綺麗さを感じてもらいたいです。 いままで墨でたくさん作品をつくってきて、一色だからこその色幅に四苦八苦してきました。一色だけど、色味がある。今まで向き合ってきたからこそ表現できる色幅を見てもらえたらなって思います。 それと、家に帰る途中の道や景色がずうっと奥に伸びていく感じが、この先の未来に繋がっていくというイメージも表現したいです。なんとなくでいいので、自分の作品を見て、未来に対する明るい希望を感じてもらえたら嬉しいです。

インタビューありがとうございました!本作とは別で描く自画像ももちろん墨だそうです。墨でしか表現できない、引き込まれるようなあの雰囲気…。完成が楽しみですね!

[取材・写真・文・編集] 
卒展キュレーター委員会 (2018年12月10日)

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